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□報告
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「そんなに笑わなくてもいいじゃないか。僕、ましろにとっておきの情報を持ってきたのに」



………何だろう?


ジェームズはニヤッと笑って、リーマスを見た。



「リーマス?リーマスがどうかしたの?」


「ちょっ!!ジェームズっ!!どうして君はっ!!!」



リーマスがシリウス越しにジェームズの口を塞ごうとしている。


珍しい。


こんなに慌ててるリーマス、初めて見たかも。


間のシリウスもにやにやしてる。


隣を見ると、セブの口元にも笑みが。


………何?この疎外感。



「もしかして私だけ知らないの?リーマス、教えて!」


「いや、そのぉ、何というか………」



こんな歯切れの悪いリーマスも初めて。


埒が明かないな。



「セブ?教えて?」


「我輩よりブラックの方が詳しいと思うが」



セブはアイをあやしながらシリウスをちらっと見た。



「………シリウス、話してっ!」



もどかしいったらない。


堂々巡りの末に、結局教えてもらえないって事にならないようにシリウスを睨みつける。



「リーマス、俺はましろの命令に逆らえない。分かるよな?」



シリウスはリーマスが頷いたのを確認して私を見た。



「ムーディーがリーマスの事を気に入って、自分の秘蔵っ子を嫁にもらえって迫ってるんだ」



!!!!!



「それでっ??誰なの?相手は?結婚式はいつ??」



「まだ付き合ってもいないんだ!そんな、結婚だなんて、私は………」



リーマスは口籠る。



「リーマス、私は何?貴方はリーマス・ルーピン。かっこよくて、賢くて、誰よりも他の人の事を思いやる事の出来る素敵な紳士よ」



もちろんセブには負けるけど、と付け加える。


ぷぅっとジェームズが噴いたのは、ムシ。



「相手はニンファドーラ・トンクス。俺の親戚だ。リーマスとも前からの知り合いで、何て言うか………子供っぽい子、かな?」


「シリウスより子供っぽい女性なんて存在しないわ。リーマス、可愛い人なのね?」



くくっとセブが喉を鳴らすのも、ムシ。



「あぁ、そうだね。でも彼女は随分年下で、私なんかよりふさわしい人はいっぱいいると思うよ」


「あら、私とセブも結構離れてるわ。シリウスの彼女は私より下。そのかのじ「何で?!何でましろ知ってるんだ??」何を?」



シリウスがばね仕掛けの人形みたいにびょ〜ん、と立ちあがった。



「俺の、その……彼女の事!!」


「だって、不自然だったもの。仕事が忙しいのに、毎週アイを見に来る?」



シリウスの彼女は、あの、ミシェル。


グリフィンドールの女王様。


それまでも時々遊びに来てくれてたミシェルは、出産後、より頻繁に遊びに来た。


3回目くらいからミシェルは来る度にアイをちょっとだけ見て、すぐにどっかへ行く。


あんまり不思議だったから、渋るリントに頼んで尾行してもらったら………シリウスの部屋に入った、との事。


去年の夏にシリウスから相談された年下の彼女ってミシェルの事だったんだ、と、びっくりした。


付き合い始めたきっかけは、分からない。

(出会いがシリウスの裁判だと言う事は分かってる)


どういう付き合いかも知らない。


ただ、二人が愛し合ってるんだろうなって事は分かる。


それに、シリウスにはミシェルくらい”大人”な女性の方が合ってると思う。


ミシェルにぐうの音も出ないくらいやり込められているシリウスが簡単に想像できて、面白かった。

(セブはこの話を聞いて、爆笑していた)



「シリウスの事はどうでもいいの。リーマス、彼女はまだ学生なの?」



確か、違ったよね?



「いや、魔法省で『闇払い』をやってる。10歳くらい下かな?」


「で、何が問題なの?彼女の気持ち?」


「ドーラはリーマスの事が好きらしい。何度か俺にリーマスに彼女がいるか聞いてきた」



シリウスがソファにどさっと座りながら教えてくれる。



「じゃぁ、何?彼女の事が好きじゃないの?まさか、病気の事じゃないでしょうね?」


「いやっ!そうじゃないんだ。ただ、私が相手でもいいのかと思って………」


「リーマス、お互いが好きって思ってて、何の障害もないなら、付き合うべきだわ」


「だろ?俺もそう言ってたんだ。ジェームズだって、な?」


「そうそ。大体、ムーディーがここに来たのも、ドーラが好きだって言うリーマスの品定めだってさ。ダンブルドアにねじ込んだらしいよ」



………試合の為じゃなかったのか。


で、ムーディーのお眼鏡に適ったって事ね。



「リーマス、先の事は分からないわ。でも、だからこそ今の気持ちを大切にしなくちゃ」



ずっと前にセブに言われた事。


”今、ここにいるのはセブルス・スネイプで、お前のダンナではない”


”お前は私のそばにいれば良いのだ”


私はセブの手に縋り、幸せな”今”がある。



「リーマス、自分の気持ちに正直になって」


「………ましろ。私は君達の様に幸せになりたいよ」



大丈夫。


きっとあなたにも幸せが待っている。



「じゃ、とりあえず、ドーラと付き合ってみろって」


「そうだね、シリウス。君にはミス.ホリーとの馴れ初めを聞きたいね」



リーマスの問いかけに、シリウスはソファから立ち上がり、背もたれを飛び越え、部屋から飛び出した。




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