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□はじまりの日
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◇ カリス ◇
学年末パーティーの日。
私はハーマイオニーを部屋へ呼び出した。
ましろに言われて、どうしても確かめたくなったから。
「カリス、どうしたの?内緒話?」
ハーマイオニーに椅子を勧めて、私は少し離れて立った。
「ハーマイオニー、あのね、あなたに聞きたい事があるの」
ハーマイオニーは首をかしげる。
あぁ、でも、もし知らなかったら、と思うと切り出しにくい。
「カリス、そんなに聞きにくい事?何かしら?」
でも、このまま休みに入ってしまえば私は2ヵ月間、もやもやしていなければならない。
「あのね、その、私の病気の事なんだけど………」
「あぁ、その事。それが何か?」
この反応だけじゃ、気付いてるかどうか分かんない。
「私の本当の病気は「ストップ!!もういいわ。カリス、私が気付いてるかどうか知りたいのね?」………うん」
ハーマイオニーは立ちあがって、私の前に立ち、両手を握った。
しっかりと目を合わせられる。
「カリス、あなたが変身してしまう病気でも、私の友達よ。あなたが月を怖がっていても、私達は友達。分かる?」
頷く。
「ましろの薬を飲んでいるんでしょう?ヘンな事になんか、ならなかったでしょう?だったら何も心配する事はないわ。あなたは今までもこれからも、私の友達よ」
ハーマイオニーの姿がぼやける。
「カリス、病気じゃないのに、意地悪や傷付けるのが好きな人がいるのよ?あなたはイタチになったマルフォイを助けちゃうくらい優しい子なの。あなたの友達になれて嬉しいわ」
ありがとう、とハーマイオニーは私を抱きしめてくれた。
「…あ………ありがっ………と………」
やっと絞り出した感謝の言葉にハーマイオニーはもっと力を込めてぎゅぅっとしてくれた。
パパ、ママ、私、本当の友達が出来たよ。
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