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□はじまりの日
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翌朝。
朝食の後、ダームストラングとボーバトンの人たちは帰る。
≪フラー、元気でね≫
≪えぇ、カリスも。あなたと仲良しになれてとても嬉しかったわ≫
大広間でフラーと最後のお別れ。
≪こちらこそ。私、フラーみたいに自分に自信を持てるよう頑張るわ≫
≪じゃぁ、私が英語をマスターするのとどっちが早いか競争ね≫
≪えぇぇ!!そんなのフラーが勝つに決まってるわ≫
フラーは私の耳元に口を寄せる。
≪あなたはもう自分に自信を持ってるはずよ。あんなに素敵な彼がいるんですもの≫
フラーの視線の先にはライアン。
顔に熱が集まったのが分かる。
≪私の魅力にぼうっとならないなんて、相当あなたに参ってるって証拠だわ≫
フラーは私の負けねって、笑って言った。
≪ありがとう、フラー≫
手を振って、大広間を出て行く彼女達を見送った。
ホグワーツを離れる前にましろの部屋を訪ねる。
「じゃぁ、ホントに付き合う事になったのね?おめでとう、ライアン、カリス」
ドアは閉めたものの、時間がないので立ち話。
「ライアン、いい事?カリスを泣かせたらただじゃおかないわよ?」
「俺が?泣かされるのは多分、俺の方だよ、ましろ」
肩を竦めるライアンに二人で笑う。
「そうかもね。ゆっくり焦らずに、お互いの事を知って行けばいいわ。まだまだ時間はたくさんあるんだから」
「来年は二人とも大事な試験があるから、夏休みはたくさん遊ぶ事にしたの」
私の言葉にましろは嬉しそうに頷いた。
「楽しい夏休みを過ごしてね。さぁ、そろそろ時間よ。気をつけて」
「はい。来年もよろしくお願いします」
「こちらこそ。ライアン、カリスの事よろしくね」
「任せといて。俺、カリスの事守るって決めたから」
ライアンはガッツポーズをとる。
「素敵なナイトになってちょうだい」
頷いたライアンは私の手を取ってじゃぁ、とましろに挨拶した。
私もましろにまた、って挨拶した。
ドアを開けて出た私達に、ましろはにっこり笑って手を振ってくれた。
今日は“新しい私”の始まりの日になった。
→アトガキ
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