女王様と俺

□事件
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女はスネイプの前に立つ。


おいおい、知り合いか?


あぁっ!手にキスしたっ!


俺もしたい。


うぉっ!何か話してるっ!


俺も話したいっ!


なのに、女が呼んだのはダンブルドア。


くそっ!ほんの少し、ちょっとでいいのに!


近くに行きたいのに、近づけない。


自分から動けなくなるなんて………


この切なさは何だ?


女はダンブルドアと話し終わると大広間を出る為に進み始めた。


行ってしまうのか?


この俺を置いて?


俺に触れる事なく、俺と話す事もなく、俺を見る事さえなく、女は扉の前に立つ。


触れる事や話しかけられる事が夢に終わるとしても、そばに居させてはもらえないだろうか?


待ってくれ!と叫んだ。


が、声に出なかったのか?


それとも聞こえなかったのか?


女が大広間を出た後、扉が閉まった。


あぁ、行ってしまった。


連れて行ってくれ、と叫べば良かったのか?


そばに置いてくれ、と懇願すれば?


それとも………


あぁっ!どうしたら良かったんだ?


また来るのか?


いつ来るのか?


それとも、もう来ないのか?


それが分かるだけでも、俺は救われるのに!



「シリウス・ブラック!しっかりしなさい!!」



パンっという破裂音の後、左の頬がジンジンと熱を持ってきた。



「ぃっってぇぇぇ!!」



何が起こった?


目の前にはましろ。


は?何だ?夢か?


ましろはさっきの子どもと話した後、リーマスの前に立った。



「リーマス・ルーピン!しっかりなさい!!」


「………イ…タイ………」



ましろは振りかぶって、リーマスの頬を叩いた。


これが頬の熱の正体か。



「リーマス、正気に戻った?」



ましろはリーマスを覗き込んだ。



「ましろ、何で君ホグワーツにいるの?家に帰ったよね?」


「話は後よ。まだ他にもいるの」



ましろはリーマスの問いに答えず教員席から離れ、生徒達の席に行ってしまった。





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