女王様と俺
□結末
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そのままリーマスの部屋へ行く。
僕リーマスの部屋に泊まる事になってるんだ、とジェームズが話したから。
「私の許可は取ってないよね?」
「でも、他の人の所は泊れないでしょ?」
ジェームズがいる事は誰にも知られないようにしなければならない。
「シリウスのとこでも良かったんじゃ?」
「え〜〜っ?僕、襲われちゃうよ」
リーマスが出してくれた紅茶のカップに手を伸ばしながらジェームズが嫌そうな声をあげる。
「襲うかっ!!俺は、女が、好きなんだっ!!」
「そんなに必死に否定するとこが怪しいんだよね。この前、ハリーを物で釣ろうとしてたでしょ?」
物でって………
「”名付け親”らしい事をしたまでだ。そんなんじゃねぇ」
「知ってるよ。ありがとう。ハリー、すっごく喜んで手紙に書いてきてた」
「お礼ならもっとストレートに言ってくれ」
一々弄られるのはロイ達だけで十分だ。
「ま、冗談はさておき、リーマスの部屋の方が広いし、簡易ベッドが入るスペースがあるでしょ?」
そういうことか。
あくまで”助手”という立場の為、俺の部屋は教授室よりは狭い。
生活するには十分なので、文句はない。
「ねぇ、シリウス。君、来年からどうするか考えてる?」
ジェームズは夏から『闇払い』に復帰して、小悪党を捕まえる事にしたらしい。
「ダンブルドアから打診された。『飛行術』の教授になる気はないかって」
「いいじゃない!もちろん受けるんだろう?あれ?マダム・フーチは?」
「彼女はイギリス・アイルランド・クディッチ・リーグの正式な審判になるそうだ。後継に俺を指名した」
迷っていたが、ミシェルに言われた事が背中を押している。
「俺、上手く出来るか分からないけど、受けようと思ってる。自分の知識や技術を子どもに教えるのは、思ってたより楽しかった」
「君なら出来るよ。私が保証する」
「ありがとう、リーマス」
「僕もそう思うよ。シリウスは箒の名人だったからね」
「で?お前は天才ってか?」
「え〜〜?そう思う?僕はそんな事ないと思ってたんだけど、シリウスに言われるとそうなのかなぁ〜」
嘘吐けっ!
口元が笑ってるじゃないかっ!!
「シリウス、ダメだよ。ジェームズが言って欲しい事言っちゃ。昨日今日の付き合いじゃないんだから」
「いや、分かってはいる。だけど、口が動いちまうんだよ。一生治らないだろうな」
言った後に後悔する事にも慣れた。
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