女王様と俺

□結末
2ページ/7ページ


そのままリーマスの部屋へ行く。


僕リーマスの部屋に泊まる事になってるんだ、とジェームズが話したから。



「私の許可は取ってないよね?」


「でも、他の人の所は泊れないでしょ?」



ジェームズがいる事は誰にも知られないようにしなければならない。



「シリウスのとこでも良かったんじゃ?」


「え〜〜っ?僕、襲われちゃうよ」



リーマスが出してくれた紅茶のカップに手を伸ばしながらジェームズが嫌そうな声をあげる。



「襲うかっ!!俺は、女が、好きなんだっ!!」


「そんなに必死に否定するとこが怪しいんだよね。この前、ハリーを物で釣ろうとしてたでしょ?」



物でって………



「”名付け親”らしい事をしたまでだ。そんなんじゃねぇ」


「知ってるよ。ありがとう。ハリー、すっごく喜んで手紙に書いてきてた」


「お礼ならもっとストレートに言ってくれ」



一々弄られるのはロイ達だけで十分だ。



「ま、冗談はさておき、リーマスの部屋の方が広いし、簡易ベッドが入るスペースがあるでしょ?」



そういうことか。


あくまで”助手”という立場の為、俺の部屋は教授室よりは狭い。


生活するには十分なので、文句はない。



「ねぇ、シリウス。君、来年からどうするか考えてる?」



ジェームズは夏から『闇払い』に復帰して、小悪党を捕まえる事にしたらしい。



「ダンブルドアから打診された。『飛行術』の教授になる気はないかって」


「いいじゃない!もちろん受けるんだろう?あれ?マダム・フーチは?」


「彼女はイギリス・アイルランド・クディッチ・リーグの正式な審判になるそうだ。後継に俺を指名した」



迷っていたが、ミシェルに言われた事が背中を押している。



「俺、上手く出来るか分からないけど、受けようと思ってる。自分の知識や技術を子どもに教えるのは、思ってたより楽しかった」


「君なら出来るよ。私が保証する」


「ありがとう、リーマス」


「僕もそう思うよ。シリウスは箒の名人だったからね」


「で?お前は天才ってか?」


「え〜〜?そう思う?僕はそんな事ないと思ってたんだけど、シリウスに言われるとそうなのかなぁ〜」



嘘吐けっ!


口元が笑ってるじゃないかっ!!



「シリウス、ダメだよ。ジェームズが言って欲しい事言っちゃ。昨日今日の付き合いじゃないんだから」


「いや、分かってはいる。だけど、口が動いちまうんだよ。一生治らないだろうな」



言った後に後悔する事にも慣れた。





.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ