OPEN!
□暮らす
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今年の夏休みはたくさん遊ぶはずだったのに、一ヶ月間は外出禁止になったので、また勉強しようと思っていた。
調べたい事もあったしね。
が、ここはだれかの家の前。
なんで?どうして?
何がなんだかわかりません。
ミシェル達と遊んで、教授と食事をして、二人姿現しでホグワーツに戻ったはずなのに、着いた所はここ。
「教授、もう遅いので休みたいのですが、ここは何処ですか?」
教授に抱きしめられたまま顔を上げると知らないお家。
この質問は至極当然だと思ったのに、教授は無視。
そのまま私を抱き上げて家の中へ入り、階段を上り、奥の方へどんどん歩いていく。
う〜ん、家と言うにはかなり大きいかも。
その割に誰かいる気配がしない。
うなっている間に、教授はドアの前に立ち、ノックする。
誰かいるの?
開けられたドアの中には………誰もいない!!
「おかえりなさいませ。ましろ様」
おや?この声は……リント?!
いや、そんなはずはない!!
「ましろ、下だ。そんなにきょろきょろしていると落としてしまいますぞ」
部屋の中に入った教授は、ベッドに私を降ろした。
「ましろ、今日からしばらく、ここで暮らしてもらう。リントに来てもらっているので不自由はないと思うが………」
いや、待て。話が見えない!
何で私がここで過ごさなくちゃならないの?
「教授、どういうことですか?」
「校長の命令なのだ。ましろが狙われていると分ったので、ホグワーツの守りを強固なものにする為、しばらくは誰も入れない。それで、ここへ連れてきたのだ」
「で、ここは何処ですか?」
やっと最初の質問に戻った。
「ここは、我輩の家だ。幾重にも守りの呪文を掛けてある。他に誰もおらんので気兼ねなく過ごせばいい」
「………このお屋敷は教授のお家なんですか?誰もいないのに、何でこんなにでかいの?!」
「褒めていただいたのかね?マルフォイの家など、この8倍、いや10倍はありますぞ」
そういえば、そうだった。
この人たち、家の基準がおかしい。
「今日は疲れただろう。早く休むといい」
そう言って教授は部屋を出ようとする。
慌てて後を追って、ドアを開けた教授のジャケットを掴んだ。
「教授、今日はありがとうございました。おやすみなさい」
「おやすみ、ましろ」
教授は私の額にキスしてドアを閉めた。
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