Come!
□叫ぶ
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目を開けると黒い部屋。
あぁ、セブの所に来たんだった。
またアレか?
ショックか?
ストレスか?
私は……弱いなぁ。
頬にザラリとした感覚。
「ぁ………セ………ス」
まだ声が出ない………
「ましろ様、お加減はいかがでしょうか?食事のご用意が出来ておりますが」
リントの声で起き上がった。
どのくらい寝てたんだろう?
お腹減ってない。
というか食べたくない。
声に出すのが面倒で、頭を振った。
「では、ご入用の時はいつでも仰ってください。あ、手を叩いて頂けば、すぐに参ります」
リントも声が出ないこと知ってるんだ。
あぁ、色々考えるのが面倒だ。
こんなの私じゃないみたい。
こんな時はセブだ、セブ。
セブ、セブ、セブ、セブ、セブ、セ「ましろ?」
やった!通じた!
「ましろ、目が覚めたのか?今、リントに聞いた。もう朝食の時間は過ぎたぞ。食べなくていいのか?」
何だ、リントか。
………食べないと心配かけるかな?
ちょっと位食べようかな?
「……セブ……す………うぷ……」
「何だ?スープ?分かった。では用意してもらおう」
で、スープと言ったのに、目の前にはパンやサラダ、ステーキにベーコン…いや、マジで肉は勘弁してください。
「お好きなだけお召し上がりください。お代りもございます」
うっ!リントのキラキラした目に見詰められては、食べない訳にはいかないっ!
あぁ、ほんとに無理なのになぁっと思っていたのに、気付けばお皿の上は空っぽ。
………自分の事が恐ろしくなる。
『食欲魔神』なんてね。
デザートにはチョコレートケーキ3種類。
フランボワーズチョコケーキにビターなザッハトルテ、そして一番好きなオペラ!
なんて美味しいんだろう。
これ発明した人に、私的に金メダルあげたい。
最後に紅茶を飲みながら、セブがどっかに行ったままな事に気付いた。
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