Come!

□残る
1ページ/6ページ


ハロウィンの朝、いつものように談話室に下りたら、ミシェル達がコートを持っている。


これは、もしかして………



「おはよう、みんな。朝食に行くのに、どうしてコート持ってくの?」


「あれ?ましろは持っていかないの?今日はホグズミードよ」



やっぱり、みんな行くんだ………



「私、行かないの。話が出ないからみんなも行かないんだって思ってた。」



みんなの目が丸くなる。



「私達、行くものだと思って話さなかったのよ。許可証なら今から提出すれば間に合うわ」


「………昨日課題せずに他の事してたから行けないわ。みんなで行ってきて」



昨夜は早くからセブの所に行って『脱狼薬』の改良版を作っていた。


前回よりも少し効果を強くして、これが成功なら変身しないはずだ。


調薬方法も変えたので、前日からの仕込みが必要だった。



「と、とにかく、食事に行きましょう。お腹が空いてたら、暗い気分になるばかりだわ」



キャシーが追い立てるように談話室から私を出す。


そうだ。たくさん食べて、今日は課題をがんばろう!








「私達、残るわ」



玄関ホールまで送ろうと大広間を出た時、ミシェルが言った言葉にびっくりだ。



「なんで?私なら大丈夫よ。今までもこんな事あったでしょ?」



そう、過去二年間でホグズミードに行ったのは2回だけ。


いつもお留守番だった。


今更お留守番がイヤだなんて、言わないよ。



「私の所為でみんなが楽しめなかったら、そのほうが辛いわ。私の分まで楽しんできて。お土産は………期待してるけどね」



ウィンクで三人を送り出し、談話室に戻ろうとすると、ハリーがドラコに何か言われていた。


ドラコ、何で突っ掛かって行くかなぁ。



「ディメンダーの側を通るのが恐いのか?」


「ドラコ、私も居残りなの。ディメンダーに会ったらよろしく言っといてね」



後ろから話し掛け、びっくりして振り向いたドラコの頬にキスして「お土産待ってるわ」と手を振って中に入る。



「ハリー!一緒に談話室まで行ってもらって良いかしら?」


「あぁ、ましろ。ホグズミードに行かないの?」


「うん、やってない課題があったから。な〜んて、許可証出し忘れただけよ」



それから何故忘れたのか、今朝提出しなかった理由も含めてハリーに説明した。



「えぇっ!僕なら絶対行くのに!」


「私だって、まだ二回しか行った事ないのよ。行きたかったわ」



はぁっとため息をつくと、ハリーに笑われた。



「ましろってさ、結構ヌケてるトコあるよね」


「くっ!………否定できない………いいの。これをばねに、NEWT試験はトップの成績でパスしてやるんだから!」



ハリーは更に笑って合言葉を言い、談話室に入って行った。


入った所で分かれて、部屋へ戻った。







机の上の課題を一つ終わらせ、気分転換にセブの所に鍵で行く。



「開いている」


「おはよう、セブ」



セブは机でレポートを採点していた。



「おはよう、ましろ。もうすぐ終わる」



一瞬こちらを見てから、またレポートに目を落とす。


相変わらず、仕事中のセブもかっこいいなぁ。



「うん。薬の熟成具合を見て来るわ」



研究室の奥にある鍋の中身はいい具合にどろりとしている。


煙も出ていて、まずそう。



「これでいいはずなんだけど、見た目も味も最悪そうだわ」


「しょうがないですな。効果を強めた分だけこうなるのだから」



セブが来て、鍋の中身を見た。



「ちょうど出来たようだ。………ルーピンの所に行くかね?」


「うん!ついでに謝っとこう」



薬をゴブレットに注ぎ、二人でリーマスの部屋を訪ねた。







.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ