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□医務室
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☆ ましろ ☆
夕方、医務室にセブが来た。
「ましろ、マルフォイを見てくれないかね?それほど酷い怪我ではないのだが………」
後ろにいたドラコを私の前に出す。
「一体何があったの?」
ドラコは擦り傷だらけで、ところどころ打ち身もあるみたい。
充分“酷い怪我”ですけど?
今度、どの程度で“酷い”を使っていいのか確認してみよう。
「とにかくベッドへ。服を脱いで頂戴。傷を見るわ」
シャツを脱ぐ時も、痛そうに顔をしかめる。
「ムーディーがドラコに罰を与えたらしい。我輩の所に怒鳴り込んできた」
ムーディーとドラコ………
何かあったっけ?
「どんな罰なの?」
脱ぐのを手伝いながらドラコに訊くと、顔を赤くした。
恥ずかしいのではなくて、怒ってるみたいね。
「僕に魔法を掛けた」
それ以上は口を閉ざす。
セブを見ると、肩を竦めた。
「ムーディーが変身術をかけたのだ。マルフォイをイタチに変えて、地面に叩きつけたらしい」
なるほど。
擦り傷よりも、体中の打撲の方が酷い。
「それで済んだのは、ミス.ローダンスが邪魔したから、らしい。ムーディーが面白がっていた」
カリスがねぇ。
意外とやるじゃない。
「そっか。じゃぁ治療するから、じっとしててね。セブ、後は私が看てるから」
セブは頷いて医務室を出る。
ドラコに杖を向け、風を送り、繭を作る。
打撲が体中にあるので、体全体を包むようにした。
「さ、もういいわ。痛いところない?」
ドラコは体を動かして、治り具合を確かめた。
「ありがとう、ましろ。もう痛くない」
見た目にアザもないことを確認して、シャツを着せた。
「今夜は泊まっていった方がいいかもね。どうする?」
「ましろがそう言うんなら、そうしてやってもいい」
「じゃぁ、ベッドに横になってて。夕食用意してくるわ」
リントにお願いして、医務室に夕食を持って来てもらう。
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