居候と僕

□居候とクリスマス
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クリスマス休暇に入って、アブとオリオンは家へ帰って行った。


何でも、貴族の坊ちゃん達にはパーティーの招待状がわんさか来ていて、連日参加するらしい。


ちょっとうらやましいなぁって言ったら、「ましろは料理が目当てなんだろ?」と、オリオンに指摘された。


うっ!その通りです。


が、ここで認めては、いかんような気がする。



「いや、お姉さんたちの綺麗なドレスとかにも興味が無くは無いもん」


「そんなに行きたいなら連れてっても良いけど、多分食ってる暇無いぜ」


「何で?パーティで食べて、目の保養する以外に何すんの?」


「あのな、貴族のパーティーって言ったら、相手探しと見得の張り合いに決まってんだろ?

次々と挨拶して、ダンスして、休暇が終わる頃には結婚相手が決められてるってわけ。ましろは見た目良いから、男がほっとかないよ」



え?中身は?と一瞬思ったが、見た目だけでも褒められて悪い気はしない。



「そっか、どの道ここから出れないから、土産話を楽しみにしてるよ」


「おう、じゃあな」


「アブもすてきなお姉さん達をたくさん口説いてきてね」


「………ましろ?私の事、誤解してませんか?まぁ、いいでしょう。リドルの事、よろしくお願いします」


「アブラクサス、逆じゃないのか?僕がましろの面倒見てるんだ」



ヴォルは毎年、クリスマスはホグワーツに残っていた。


悲しいけど、それだけ孤児院での扱いが酷かったのだろう。


ヴォルにとってのホグワーツは私と同じで“家”なんだ。



「はい、そうでしたね。では、リドル、お願いします」



その日から人の居なくなったスリザリン寮の談話室で、ヴォルと二人本を読んだり、チェスを教えてもらったりして過ごした。








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