story

□幸せの庭
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ここは小さなお屋敷の小さなお庭。
お庭は小さいなりに
たくさんのバラが咲いてて綺麗。
なぜか見上げた夕空まで綺麗。
お屋敷は少しだけ
古びてて生活感がある。
私のお家。
誰か中にいそうなのに、
少しも気配を感じない。
―寂しいよ。
誰が私を迎えに来て!
もう中に入る時間だよって!



「ハッ」
直は目を覚ました。
バクバクとうるさい
心臓を手で押さえる。
すると背中から自分
以外の手の温もりを
感じて、勢い良く振り返った。
そこにいたのは秋山だった。
「大丈夫かっ?」
心配そうに覗き込む
彼の目を確かめて、
やっと現実に戻った
実感が沸く。
「ありがとうございます。
もう大丈夫です。」
「どんな夢を見たの?」
うながされるまま伝えると、
彼はまたたずねてきた。
「屋敷の中に人はホントにいなかった?」
「わかりません。」
「じゃあ探したら誰かいたハズだな。」

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