story

□花を守る
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秋山の中で、彼女は花の様な存在だった。
繊細で傷つきやすいけど、
存在感の大きさは強さを感じる。
その場で笑えば
詰まった空気を変えられるのだから。
だから、笑い続けてれば
良いと彼は思った。
出来れば自分の横で。


「私、ヨコヤさんにご飯に誘われました!」
「は?」
嬉しそうに話した彼女に、
少しの間も置かず返した。
「私の事、不思議な子
だって気に入って
くれたみたいで。
是非一緒に食事でもって
誘ってくれたんです。
少しわかりあえる
チャンスじゃないですか?
だから、私喜んで
オーケーしたんです!」
秋山にはもちろん好意的には
感じられなかった。
彼が直に興味を持つ事
はあるかもしれない。
けど興味の先は、黒い欲求。
その花を手折って、
枯れたそれを自分の中
だけに飾っておきたい、という―。

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