story

□わからない二人
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―俺は彼女に、他の
奴らと違う接し方をしてきた。
彼女が必死に頼ってきたから
っていうのもあるけど。
それだけの理由じゃなしに、
ゲームの中で守ってきたし、
精神的にも安心させたいと
言葉をかけたりした。
彼女はすっかり気を
許したみたいだったけど、
全てにおいて俺に
気を許すなんて、
しちゃいけなかったんじゃない?
俺の部屋に‘ちょっと不安だったから’
と無防備にやって来た君。
少しも意識されてなくて、
わかってないなと思ったから、
俺は壁に彼女を追いやって、
腕で小さな頭を挟み込んだ。
きょとんと目を丸くして、
まだ何もわかっていないらしい。
「ねぇ、良いの?
男の部屋にまんまと
やって来て。
このままキスされたりしたら、
後悔しない?」
俺の問いかけでやっと
彼女の頬が赤くなる。けど、それでも気丈に
「秋山さんはそんな事しません」
なんて返してきた。
これはもう、はっきり
した態度でわからせないと
ダメだと思った。
腕の中にある彼女の唇に
自分のそれを寄せる。
少し怯えながら顎を
引いた彼女だったけど、
ぎゅっと目をつぶって
俺を受け入れる。
それからは想いが溢れて
しまって、少し慣れて
柔らかく開いた唇の間に
舌を差し入れる。


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