story

□肉食系なんです。
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昼下がり。陽の光を浴び
ながら、難しそうな本を
真剣に読む秋山さん。
気を散らさせては
いけないと思いながら
も、私はジッと見て
しまいます。
「....俺、何か面白い?」
「いえ」
面白い訳がありません。
こんなにかっこ良くて、
鋭くて、面白がる要素
なんてないんですから。
ただただ、目を見つめて―
でも時々視線を下に
ずらして、しなやかな
首とか、キレイな鎖骨を
眺めたりして。秋山さん
に、見とれます。
本を支える腕や手は、
細いけどしっかりして
て、血管は浮いてて....
とてもやらしいです。
なんで浮いた血管は、
やらしいのでしょう....
血管....ま、まさか、
あの時あの場所の血管が
膨張してるから!?
やだ、私何考えてるの!
でも、一度思い出した
ら、次々と思い出して
しまって....あの時の
秋山さんの目も真剣
だったけど、少し濡れて
たな、とか....
力強かったけど、優し
かったなとか.....
うぅ、なんだかムラムラ
してきました。
「もしかして、かまって
欲しいの?」
「ぇっ」
合ってる様な合ってない
様な....だって、
かまってなんてカワイイ
言葉では済まされない
欲求だから。
「まぁ....そんな感じ
です」
「まぁって何だよ。
珍しく素直じゃないな」
素直に表現したんです
けどね。秋山さんには、
私がカワイイだけに
見えるのかな?ホントは
けっこう、欲のある肉食
系女子なんです....!
だけど、もう少し控え目
でいようかなと思って、
モジモジしてみる。


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