story

□恋愛という世界
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人と歩く夜道は、
何だかそれだけで
ワクワクする様な気がした。
昔、父親と一緒に銭湯に
行った時の感覚に似てる
からかもしれない。
そう伝えると、彼は
微妙に表情を変えた。
「俺もそーゆー記憶はあるけど、
お前と歩くのはそれとは違うね。」
「あ、私年下ですもんね。
でも、別に秋山さんが
老けてるとかでお父さんを
思い出した訳じゃないですよ!
この空気間が、似てる
というか。落ち着くけど
楽しいような!」
「ふーん」
素直に、プラスな感情を
表現したのに、
なぜか彼は不満そう。
不安になってきた直は、
聞いてみた。
「じゃあ秋山さんは、
私と歩くとき、
どんな感じですか?」
「......そうだね」
彼は予想以上に真剣に
答え始める。
「ドキドキするし、
守ろうって気持ちになる。
仲間とか家族っていう
存在には思えないね。」
「もー私そんなに心配で
見てられないですかぁ?」
真剣な気持ちが直に
全く伝わってなくて、
秋山の肩が下がった。
直は、本当に少しも
わかってなくて、
秋山の様子が理解出来なかった。
彼は、もうはっきり言おうと思った。

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