story

□幸せの庭
2ページ/4ページ


妙な言い方の彼を、今度は直が問い詰める。
「なんでそう思うんですか?
誰がいると思うんですか?」
「誰がって、やっぱり家族じゃないか?
家の話だし。
何歳の舞台かわからないけど、
母親がいたなら、
行きたくても炊事で
火を使ってて手が
離せなかったんだろ。
父親がいたなら、
丁度迎えに行こうと
思った頃だったんじゃない。
人って、愛されて生まれたワケでしょ?
しかもナオだし。
迎えに行こうと
思われてたよ、
絶対。」
直は聞き終わってから
しばらく秋山を見つめた。
彼は自信に満ちた目をしてる。
自分を、自分を取り巻く愛を
確信してくれてる。
―そして追い打ち。

次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ