story

□連休マジック 前編
2ページ/2ページ



「喜んでくれたから、
良いよ。じゃあホントに
行こうか。」
「....はい!」
何だか、これって良い
感じってやつでは....。
私は秋山さんの横顔を、
少し見つめた。
いつもよりも、もっと
頼もしく見える秋山さん
は、ゆっくりハンドル
を取ると、車を発進
させた。冷静に、穏やか
に運転する秋山さんは、
やっぱり素敵。けど、
そんな秋山さんに
ちょっとだけ感じる
緊張感が自分で理解
出来ず、悩んでしまう
....そう思ってたのに、
途中から意識がフワフワ
してきて....秋山さんに
腕をゆすられて、驚いて
上体を起こした。
やだ、寝てたんだ!
「すみません!!
私ったらっ」
「うん、良いけど、もう
着いたから。」
「えっ」
寝てたから、どこに
向かってたか全く
わからない。はやる
気持ちで窓の向こうを
見ると、素晴らしい花畑が広がってた。
「わーーーすっごい
です!!」
車から飛び出て花畑に
向かって走る。けど、
秋山さんがなかなか
追って来ないから、
不審に思って立ち止まった。
「秋山さん?早く!」
「ああ、ゴメン。
君が活発に走ってるのが
犬みたいで、面白い
から眺めてた。」
一気に恥ずかしさに
襲われる。それを追い
払う為、私は大きな声で
叫んだ。
「面白いなんて、嬉しく
ないです!バカにして、
もうっ。それより早く
行きましょう!!」
「ああ」
そして私達は夕暮れ前
までその花畑ではしゃいでた。
花畑の周りには、アイス
屋さんや小さいカフェ、
動物触れ合いコーナーに
お土産屋さんがあって、
全部寄った私達はすごく
疲れてたのだった。




前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ