story

□酒は飲んでも飲まれるな5
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その翌朝から二日経つ。
普段ただ流れる様な二日
とは、だいぶ違った。
しょっぱなから恋愛は
こんなにもしんどい。
.....あぁ、恋愛だと
思ってるのはオレだけか。
アイツはあの時の気分で
ああなったんだろう
からな。オレをあんなに
舞い上がらせておいて、
ひどいもんだ。今頃
もう、アイツはミウラに
詫びを済ませた
んだろうか。オレが
ミウラと話した事は、
知ったんだろうか。
あの朝はあまりに
悲しくて、その事を
言う気も失せていた。
知ったなら、オレの印象
が悪くてショックを
受けただろうか。
もしかすると、オレが
襲った感じになっている
かも知れない。まぁ、
もうそれでも良いかも
な。それでお前だって、
ショックを受ければ
良い。オレのせいで。
そう考えていると、
玄関のドアをノック
された。集金か?
すぐにドアを開けると、
そこにはアイツがいた。
「......こんにちわ」
今日は暑さに耐えられ
なかったのか、胸元の
開いた袖なしのワン
ピースを着ている。
「......その服、
やめた方が良い。」
襟元スレスレの場所に、
オレが付けたキスマーク
が見えた。本人が鏡を
見る角度からは、隠れて
いる様に見えたんだろう。
オレの視線に気づき、
改めて丸い目が襟元を
深く覗くと、小さな唇
から声が上がる。
「わっ.....」
一度手を当てて隠したが、
ずっとそうしている
訳にもいかず、諦めて―
でも顔は真っ赤に
しながら、コイツは
家に入った。


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