story

□四人でカラオケ♪
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「あっ、これ、アカギ
さんにも送ってるじゃ
ないですか!」
「おぉ、あいつも
釣れるかなと思って。」
「もぉー。もし来られて
も、サビの、しかも
‘ひるがえし’までしか
歌えませんよぉ」
「マジで?お前十代
だろ?ライアーゲーム漬けになっちまった
のか?」
その調子でアホらしい
会話を10分程続けると、
早くも秋山とアカギが
到着した。
「おー、メッチャ早い
じゃん。そんなに興味
あった?」
「丁度用事で渋谷に
いてな。お前が打った
メールに釣られる気分
ではなかったが、二人と
いうのが気に障って。」
「釣りだったのかー。
オレ疲れて店上がって、
純粋に歌って踊ってる
ナオちゃん見たかった」
フクナガの冷やかしに
丁寧に応えながらも、
二人はソファに掛ける。
直はフクナガのフリと
違って、本当は本来
(?)の歌を歌えない事を
告白すると、お詫びに
一番手を買って出て、
場を和ませる事にした。
「普段あんまり一番に
歌わないんですけど....
フクナガさんの後始末
ですからっ」
「おーそうだナオ〜
イけ!!オイ、アカギ、
照明落とせよ。」
「あ、ハイハイ」
アカギがフクナガに
従順に電球を回すと、
前奏が始まり、直の
表情が強ばった。
「久しぶりで緊張
しますっ」
愛らしい彼女の言葉に、
一同胸をキュンと絞める
と、その歌は始まる。
赤く熟れた頬に、歌の方
が似合い、この部屋の
温度は上がる一方だ。
「とーなりーどぉし
あーたしさくらんぼっ」
歌い切る直前、力んで、
これで大丈夫なのかと
心配した直は、秋山に
目配せした。すると、
予想もしなかった熱い
視線に気づいた。
「....秋山さん」
「.....ナオ」
二人の視線の通い様に、
フクナガもアカギも
気づいたけど、秋山の
歌を聞くまで二人は
引き下がれなかった。
「次アッキーでしょ!!」
「歌うなんて、想像
つかねぇ」
二人にはやしたてられ、
秋山がしぶしぶ歌本
を巡る。
「TM-Rを歌うには、
どうしたら良いんだ」
「それは、このページ
から....」
直のアシスタントで、
秋山はどうにかホワイト
ラブを歌う事が出来た。
「―」
調子も乗ってきて、
次に―
「はやーすぎーる、
とーきーの....」
「秋山さんっ....
カッコイイですっ」
「ムショ入り前だし
な」
‘絡み合う熱の〜’
まるで二人を歌に表現
した様―
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