story

□四人でカラオケ....前編
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「面白い展開になってる
から、見届けたくてさ」
「俺、そろそろカラオケ
行きたい頃だったんだ
よねー」
直に明るく迎えられた、
フクナガとアカギだ。
フクナガがやらしい目で
部屋中をジロジロ見て、
ツッコミを入れる。
「まだ何も触ってない
んじゃーん?ナニしてた
んだかぁ。」
「大人しくお前らを
待ってたんだが、何が
面白い....?」
まんまと乗せられた
秋山の青筋に気づいた
アカギが、間に入る。
「まぁまぁ、もう俺ら
来たワケだから!
入れようよ入れようよ。
俺一番!」
明るく一番手を買って
出た彼の歌は、
THE YELLOW MONKEYの
‘追憶のマーメイド’。
大分昔の歌だけど、
良い歌は、いつまでも
良い。しかもアカギの、
良い具合に高く、
気持ちの良い声に
合っていて、フクナガも
秋山も聞き入った。
「まーぶしい、かーらだ
にー」
「良いじゃんー!!
エロい!!」
「ほう」
ただ、さすがに直は
その頃若過ぎた。
「ちょっと聞き覚えは
ないですけど、良い
メロディーですね。
それにドキドキしました。」
ジェネレーション
ギャップを感じながら
も、彼女なりに言った
律儀な感想に、一同
胸を熱くさせる。
「まぁ、俺自身この歌は
世代じゃないんだけど、
イエモン好きになって、
たどっていったら
出会ってさ。けっこう
そーゆーのあるんじゃ
ないかな?」
「あるある!じゃー、
アタシも世代じゃない
んだけど林檎のギブス
いくっ!」
フクナガは世代なんじゃ
....秋山とアカギが密か
に思いながらも、それは
始まった。
「〜....i 罠 B wi U
此処に居て〜」
刹那的な歌詞を上手く
歌い上げている。そして
長い髪から覗く目の光が
強くて、凛としていた。
「おーさすがフクナガ!

アカギの声に、二人、
うなずく。すると、
気持ち良くなった
フクナガは直にバトンを
渡してきた。
「ハイ次この調子で
アンタね!」
「あっ、そうですよね
....じゃあ〜....」
ピピッ
軽い電子音と共に入力
されたそれは、
aikoの‘向かいあわせ’。
直以外の三人全員、
ぴたりと止まった。



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