story

□温かい夜と朝
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もう珍しくなくなった、直のお泊まり。
今日も同じベッドで寝る
予定。今日は買い物で、
けっこう歩き疲れた
から、お互い寝つきが
良いだろう、なんて
話していたのに。
彼女が顔を覗き込んで
いる気配で、秋山は
眠れずにいた。
直はしばらく様子を
伺っていたけど、我慢
出来なくなったとでも
言う様に、強く頬ずり
してきた。ついでに
サラサラと、彼女の髪が
鼻をくすぐった。
もう話しかけようと、
秋山が目を開ける。
「....眠れないの?」
「はい....あの〜....」
ゴニョゴニョと途中まで
答えてやめた彼女を不審
に思っていると、彼女は
気づいたらしく、続きを
話した。
「あの、やっぱり寝たく
ないです....し、し、
したいです....」
どうやらさっきの頬ずり
は、起きて欲しいだけ
でなく、彼女なりの
お誘いのつもりだった
らしい。最近、行為に
すっかり慣れてくれて、
安心していたけど、
まさかそれ以上にお誘い
してくれる様になった
とは。秋山の胸に、
熱いものが込み上げて
きた。
「でも....秋山さん
眠いですよね?」
「いや、もう眠気覚め
たから。」
頬ずりでお誘いだなんて
愛らしい事をしてくれた
直に応えるため、細い体
を抱き締めた。改めて
彼女の存在を実感して、
ドキドキした。


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