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既に心も身体も陥落寸前


「せんぱい…!」

「…あー、女の子が身体冷やしちゃいけない、よ?」


やっべぇ…どうしよう、これで火ついて→押し倒されて→処女喪失ルート? え 勘弁して!!

数秒前の自分を呪っている時間があることを不思議に思って天使ちゃんに視線を向ける、と…




(え、真っ赤になってる)

「嬉しいです…ありがとうございます」




頬を染めて可愛らしく照れ笑いしてる天使ちゃんがいた。



何この謎の感動。

…やっぱり見た目は可愛い、ストライク。


俺様のカーディガンがだぼだぼで、着られちゃってる感じなんかもう男のロマンだね。



ちょっといい気分になって頭を撫でてみると、ふにゃふにゃと嬉しそうに笑った。

え、可愛い。



暖まってきたのか震えが収まってきた。よかったよかった…えーとなにしてるのかな



「うふ、佐助せんぱいのにおい〜いい香りです〜っこれもらっていいですか?」



台無しだよっ!!!



「ちょ、返せ!カーディガンと俺様のときめきを返せ!」


おりゃっと脱がせると、わざとらしくきゃあっと悲鳴をあげる天使ちゃん。


「ああんっ佐助せんぱいったら乱暴ですっでもそういうのも嫌いじゃないですっ」

「ちょっと黙ってくれるかな!」

「せんぱいときめいたって本当ですか!?」

「ぎゃああああ!!」



両手首を掴まれ、じりじりと壁際に追い詰められて、おいおいこれ普通逆でしょ?

どん、

げ 壁!!

どどどどどうしよ!!



「…せんぱい、」

「…な、なにかな」

頬がひきつる。









「好きです」







意思の強い真っ直ぐな瞳が俺様を貫いた。


「好き、大好きなんです」



視線に貫かれて固まっていると、どんどん天使ちゃんの顔が歪んでいく。

手首を掴む力も抜けていって、だらんと両腕が下がった。



「…ごめんなさい せんぱい、きらいにならないで…」



そしてついに、拭うこともせずぽろぽろと涙を溢し始めた。


これは…嘘泣きなのかな、それとも…




…別にどっちでもいっか、だって俺様の変態魂にちょっと、火ィついちゃったから。



「…全く、わかんないね」

「…?」

「さっきのまま押し倒しちゃえば、お望み通りぱんつでもなんでも奪えただろうに…」


べろんと涙を舐めると、びくっと大袈裟なくらい身体が跳ねて、それからぼふんっと顔が真っ赤になった。



「な、な、せんぱ、今、舐め、」

「あら?意外とウブだね、かわい〜」



目も顔も真っ赤な天使ちゃん、にやにやしてる俺様、えーっとこれってもしかして状況証拠バッチリって感じ?


あっ!やばっ!手ぇ出しちゃった俺様!…なにやってんの!!??
(舐めちゃった…)

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