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□自分的考察論
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「天使、好きだよ。ずっとずっと、君のことだけ。」
…最初にその言葉を佐助から聞いたのはいつのことだっただろう。
確か、高1の時に行った夏祭りでのことだった気がする。
一緒に行った幸村達の元から連れ出されて、少し暑さで潤んだ佐助の瞳に花火が映ってた。
中2くらいのころから女遊びが激しかった佐助が、突然ぱたりと一方的に全員と手を切ったという噂を聞いたのは夏祭りの一週間前。
私は小さい頃からずっと幼馴染である佐助に恋をしていて、だからそれは、告白も、すごく嬉しいことだったはずなのだ。はずなのに。
嬉しい?
―――ううん、全然。
あの日、浮かんできた言葉は肯定じゃなくて拒絶だった。