☆晴天

□僕を呼ぶ声。
1ページ/8ページ

たとえば。

いま難解な数式を息でも吸うみたいに簡単そうにすらすらと発しているあの唇から、
親くらいしか呼ばない俺の下の名前でも呼ばれたら。

俺が強引に迫ったとしても、困った顔のあとに笑って応えてくれたら。

フツーにしてれば一週間に1、2回しか会う機会がないからって足繁く通ってる自分ウザくね?とか思わなくもないけど。

会いたいとかそばにいたいとか触れたいとか、陳腐な言葉にしかならないけど。

…他人を好きになるって際限なく欲しがりになることだったんだな。

いつもガキ扱いばっかされても余裕ぶってるけど、本当は余裕なんてあるわけない。

どんなに若く見えよーがかわいかろーが俺より10年近く長く生きてるのは事実だし。
今までどんな人生送ってきたかなんて知らないし。
花火大会で彼女にフラれた過去がある、くらいしか知らないし。

…なんでもいい。

君のことが知りたい。

.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ