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□屋上
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屋上



地元の高校に入学しておよそ2ヶ月。

とくに何かおきるわけでもなくクラスになじんできた頃。


鈴木と佐藤と今お昼ご飯をたべに屋上にきている。



ちなみに今日のおやつはクッキーだ。



「いやー今日はいい天気だぁー」
佐藤がごろんと寝転がる。

「たしかに。ここんとこ雨ばっかだったからな。」
天気のおかげか、鈴木の機嫌がいいような気がする。


「ふひおひはうはうふぁっふぇ?」
「食いながらしゃべんなばか。」
機嫌がいいのはどうやは勘違いだったようだ。

「……次の時間なんだっけ?」
「次はねー…数学だよめんどっ」
「数学か。宿題やったか?」
「あっ俺やってない!!鈴木見せて!!」

ガバリ。まさにそんな感じで佐藤が起き上がった。

「平介もやってないよね。」
「なんで肯定文なの?まぁやってないけど」
「だよねっ!じゃぁ鈴木に見せてもらおうよ」
「自分でやれよ!」


なんていいながらなんやかんやで鈴木はみせてくれる…と思う。


「はい、じゃ教室にれっつごー。」
「へいへい。…平介お前早くしろ。」
なかなか立ち上がらない俺に鈴木が催促する。




「んー、俺さぼります。」
「またかよ。進級できねーぞ」
「えー!ずるい!俺もさぼりたい!」
「お前もか!」

鈴木が言い終わると同時に始業のチャイムがなった。


「早くいくぞ!」
「ちょっ、宿題ー!」


といいながら二人は階段をおりていった。
…俺のこと忘れてない?





「はー。それにしてもいい天気。」

いいながらさっき佐藤がしていたようにコンクリートに寝転がる。



はらいっぱい。いい天気。静寂。そよ風。





ならばやることは1つしかあるまい。





俺はゆっくりと目をつぶった。





あ、おやつたべてねーや。まいっか。
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