小説

□キエナイオモイ。
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―もうあの人はいない。
僕の大好きだった人。

「おーい、ティエリア」

僕の大好きだった人にそっくりな彼。

でも違う。

本当のあの人ではない。


「なんですか」

だから今日もそっけない返事を返す。


「なんだよー、その冷たいな言い方。アレルヤが言ってたぜ?最近俺だけに冷たくなってきたって」

「…要件はなんですか」


わかってる。
そうしないと自分を制御出来ないからだ。

双子なだけあって本当にそっくりなんだ。
だから時々彼が生き返ったんじゃないかって思うくらい似てる時もある。


「あ、いやこないださー…」

今は任務が終わったばかりで疲れてるだろうに、なぜそんな他愛もない話をしてくるんだ。

けど、そこも彼に似ている所でもある。


「ごめんなさい。今疲れてるんでまた後で話しましょう」

「あ!ティエリア、」

その場を立ち去る。


彼のことを見すぎてしまうときっと好きになってしまう。

違うとわかっていても、心臓が鼓動を打つ。


胸が苦しくて、息が出来ないくらいに苦しくて。

どうすればいいのかわからなくなる。


この恋は許されない。

絶対に――…



end
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