KRB夢
□8th
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最後のシュート練も済ませ、部室に着替えに行こうとした時のことだった。
体育館の隅のところに、花柄の可愛らしいタオルが置いてあったのに気が付いた。
確かに見覚えがある。
黄瀬「これ、藍っちが持ってたような…」
タオルを手に取り、どうしようかと考えていると、近くにいた紫原っちが話しかけてきた。
紫原「藍ちんならさっき誰か探しに行ったみたいだよー?」
黄瀬「誰かって?」
紫原「さぁ?あ、でも他の体育館に行く途中で見たけど?」
藍っちが探しに行ったのが青峰っちかもしれないってことくらいわかっていたのに。
昨日の話があったから、二人がいるところを見るのはちょっと複雑だったのに。
俺は探しに行ってしまった。
藍っちに会いたくて。
そしたら、このザマだ。
あぁ…
やっぱ二人はそういう関係なんスか…
友達同士がキスしてるところ見たの、初めてっスわ。
俺、何やってんだろ。
藍っちのこと気になるとか、まだ好きの手前とか…
あの二人の間に入り込む勇気なんてないっスよ…
藍っちは、青峰っちのことが好きなんスよね?
青峰っちも、藍っちのことが好きなんスよね?
だったら俺の出る幕なんてない。
桃っちはああ言ってくれたけど、選ぶのは藍っちだからね…
藍っち、青峰っちのこと、好きだったんスね…
俺は二人に気づかれないように、静かにその場を去った。
藍っちのタオルはまだ握りしめたままだった。