KRB夢
□11th
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私は誰かと付き合ったことがない。
他人の恋愛話を聞くのは嫌いじゃないけれど、自分の恋愛話をするのは苦手だ。
恋をしたことは、ある。
けれど、
それ以来、恋をすることはできていない。
誰かに対する”好き”という感情を封印してしまったのだ。
彼に抱いていた感情を、彼以外に感じないのだ。
そう、
私は何も感じなくなってしまった。
私を好きだと言ってくれた大輝。
今まで大輝と一緒にいて、嫌われてはいないことはわかっていた。
去年のあの事件以来、ずっと私の傍にいてくれた。
本当は、あんな事件、みんなが心配するほど大したダメージなかった。
過呼吸になったのも、事件だけが原因じゃなかった。
だけど、大輝は私を本当に心配してくれてずっと一緒にいてくれた。
嬉しかった。
誰かに大切にしてもらうのは、申し訳ない気持ちもあるけれど、素直に嬉しいと思えた。
いつだか大輝は私を抱きしめ、キスをした。
確か、部活終わりで一緒に帰ってくれていた時だった。
突然のことだった。
**
一年の冬…
二人で肩を並べて歩く道。
青峰の足は突然止まり、気が付くとゆづきは青峰の腕の中に収められていた。
寒さで冷えた身体が一気に暖められた感覚を覚えた。
そして、唇に唇が重なった。
青峰からの突然のキスを、ゆづきはただ受け入れるしかなかった。
青峰「…わりぃ、急に…」
「…ううん。」
青峰「…怒んねぇのかよ?」
「…怒らないよ。」
青峰「!…」
それからたまに、二人きりになると何度かそういうシチュエーションになった。
頻度が高くなり、いつしか別のこともするようになった。