KRB夢
□14th
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家に到着し、自分の部屋に入ると、私はそのままベッドに倒れ込むようにして伏せた。
あれから、再び黄瀬くんと肩を並べて自宅までの道を歩いた。
お互いに口を開くこともなく、最後にバイバイとありがとうと言うのが精一杯だった。
「…なんでこうも一気に…」
頭の中で黄瀬くんの言葉がリピートしていた。
決定的なことを言われた訳ではないけれど、あの言葉が冗談で発されたものじゃなければきっと…
”俺のこと、少しだけ、男として見てくれないっスか?”
”これからは、俺を頼ってくれないっスか?”
”俺も、本気っスから。”
”本気で、藍っちと恋愛したいから。”
「…っ」
モデルもやっていて女子からの人気も高いあの黄瀬くんが、
まさか自分と恋愛したいとまで言ってくれるだなんて…
何かのドッキリなんじゃないかって疑ってしまう。
けど、
あの時の黄瀬くんの目は、冗談を言っているようにも思えなかった。
私、全然いい子じゃないのに。
…大輝も、私を好きと言ってくれた。
どうして私なんだろう…
恋愛も上手くできたことないのに。
…それどころか、唯一本気で好きになった人のことを、
もう本格的に心から消し去らないといけなくなった…
大輝からの告白。
征と、お父さんとの同居。
黄瀬くんからの告白。
頭の中がぐちゃぐちゃだ。
胸が苦しい。
でも、考えなくちゃ。
ちゃんと、考えなくちゃ…