KRB夢

□17th
1ページ/3ページ

次の日…


朝の自主練も順調に終え、

ボールを片付けようとした時のことだった。


「おはよう、黄瀬くん。」


すぐそこにある体育館のドア近くに彼女は立っていた。


黄瀬「!…お、おはようっス!どうしたんスか!?この時間に…」

「んー?部室に用があったから早く来たんだよ。見たい資料があってね。…よっと。」


落ちていたボールを拾い、

彼女はシュート体勢に入ると、

ボールは見事な弧を描いてゴールに吸い込まれた。


黄瀬「!…ナイッシュー!」

「よし、今日は何だか良いことがありそうだ。」

黄瀬「前々から思ってたんスけど、藍っちのフォーム、めっちゃ綺麗っスよね。」

「そうかな?黄瀬くんのシュートには及ばないよ。」

黄瀬「いや、俺はそんな綺麗じゃないっスよ。シュートフォームが綺麗といえばやっぱり緑間っちかな?」

「確かに真ちゃんは綺麗だよね。シュート練ばっかりしてるし。まぁ、それがSGの使命か。」

黄瀬「あ、”真ちゃん”って言った(笑)」

「あ。…本人いないからいっか。怒られないし(笑)」


朝から彼女に会って、

こんな風に普通に話しちゃってるけど…

昨日、俺達、

キスしたんだよね…?

彼女は拒まなかった。

そっと触れるキスも、

その後の深いキスも…


…ぎゃぁぁぁ!

思い出したら暑くなってきた!

ヤバイ、顔赤くなってるかも俺。


「…黄瀬くん、顔真っ赤。」

黄瀬「ぅえっ!?」


やっぱり…

しまった、しかも変な声出ちゃったし…!


「…ふふ。」

黄瀬「!…笑わないでよ…俺一人だけ恥ずかしいっス…」

「何か思い出してたの?…」


そう言うと、彼女はじりじりと俺の方に詰め寄ってきた。

気付けばすぐ目の前まで彼女が来ていて、

昨日のデジャヴかってくらい、

再び上目遣いで俺を見る。


黄瀬「っ…!」

「…ふふふ。黄瀬くんって、本当顔に出るよね。かわいい。」


”かわいい”のはあなたっスよ…

マジ勘弁して下さい…

俺、あなたの上目遣いにはめっぽう弱いんスよ…


ていうか、彼女もわかっててやってないか…?

俺をからかってる…?

うわー、小悪魔系かよー。


でも、まんまとハマっているのは俺だ(苦笑)


「それに…」

黄瀬「…!?」

「…ちょっとエッチ。…ふふ。」

黄瀬「っ…!!」


ヒソヒソ声で言われちゃいました。

もう顔から火が出そうなくらい暑い。

ヤバイ。俺…


今ので軽く勃った…(死)


変態発言ですみません。

でも、

彼女は思っていた以上にSっ気ムンムンじゃないか!

俺、Mっ気ムンムンに思われてないかな…!?


「あ、ちょっと急がないと遅刻しちゃうかもよ?ここ片付けておくから、黄瀬くんは着替えてきたら?」

黄瀬「い、いやいや!いいっスよ!そんなことまで藍っちにさせられないっス!」

「遠慮しなくていいのに。…じゃあ一緒にやれば早いでしょ?ね?」


うわー…笑顔マジかわいい。

しかもマジ優しい。

こんな感じで毎日彼女と過ごしてたら、

ドキドキし過ぎて、理性折られまくって…

ヤバそうだな。

色んな意味で(苦)


でも、

本当楽しいや。彼女といると。

俺もつい顔が緩んじゃうよ…


そんな光景を、彼に見られていたなんて、

知る由もなかった。
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ