KRB夢

□22nd
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次の日。

祝日のため、学校は休み…だが午後からは部活だ。

ジャージに着替えていざ登校。


黄瀬「いってきまーす。」

黄瀬姉A「あっ、涼太!」


玄関先で姉ちゃんに呼び止められた。

どうせまた帰りに何か買ってこいとか言うのか…?


黄瀬姉A「ゆづきちゃん、部活に来るって〜?」

黄瀬「!」


意外にも彼女の話だった。

ちょっとだけ拍子抜け。


黄瀬「…来るらしいよ。朝、メールしたらもう熱下がったから大丈夫だって言ってた。」

黄瀬姉A「そう。よかったね。」


昨日の夜はあれから結局…

彼女は黄瀬家には泊まらず(苦笑)、

彼女の親戚だと名乗る、柳という人が車で迎えにきた。



柳「この度はご迷惑をおかけ致しました。本来であれば母親である私が迎えに行くべきでしたが、都合により申し訳ありません。と、ゆづき様のお母様から伝言を預かりました。」

黄瀬母「はぁ…」

黄瀬姉弟「!?」

「!…あ、あのっ…本当にすみません!言い訳になってしまいますが、母は今ちょっと…怪我をしていまして、運転ができないんです…。」

黄瀬母「そうなの…いやいや、そのことは全然構わないのよ。で…」

黄瀬姉A「あなたは誰ですか…?」


ちょ!姉ちゃん!

ストレート過ぎるけどっ…実際誰もが気になっていたことだ!


柳「申し遅れました。私は柳と申します。ゆづき様の…親戚、とでも言っておきましょうか。」


いやいや、それって本当は親戚じゃないってことじゃないの!?

ていうか”ゆづき様”って!

突っ込みどころ満載なんだけどっ!


「あ…あの、なんていうか…柳さんは…私の父の、秘書みたいな存在でして…」

黄瀬「秘書…あ!そっか。」


多分、赤司っちが派遣した人なんだろうな。

秘書って言ってたけど、本当は執事って感じか?

立場上彼女が言いづらいのもわかるけど…(苦笑)

うちの女達はどうも怪しんでるっぽいな。

後でフォローしておかなきゃだな。


黄瀬「…まぁ、とにかく、もう遅いからさ。せっかく迎えに来て下さったんだから、ね。」

「!…あ、うん。ありがとう。…本当にお世話になりました。お礼はまた改めてさせてください。…では。」

黄瀬母「またいつでもいらっしゃいね、ゆづきちゃん。お大事に。」

「!…はい、ありがとうございます。おやすみなさい。」


彼女が出て行った後、

女達3人から質問攻めにあったのは言うまでもない。



黄瀬姉A「しかし驚いたわ〜。ゆづきちゃん、お嬢様だったとは。どうりであんなに礼儀正しいわけだ。」

黄瀬「…お嬢様っていうのか?今でも戸籍上は普通の母子家庭だよ?」

黄瀬姉A「でもあの柳って人が来たってことは、その…赤司さんだっけ?その人と親交あるってことじゃん?」


確かに…

昨日赤司っちが彼女の家にいたってことは、

それなりに関わりが多くなったってことかな?

再婚するとか…?

そしたら赤司っちと一緒に暮らすってことだよな…!?

えー!

なんかそれ、俺としては複雑!


黄瀬姉A「あんた、逆玉狙えるんじゃないっ?」

黄瀬「…はっ?」

黄瀬姉A「しっかりつかまえておきなさいよ〜?ゆづきちゃん、可愛いからボーッとしてたら誰かにとられちゃうわよっ」


…それ、なんかぎくっとした。

俺、とっちゃった側だし…(苦)

でも、姉ちゃんの言う通り、

油断はできないよね。

そもそも俺達は、正式な恋人ではないんだし…

引退までまだあと半年もあるよ?

その間に彼女の気持ちが変わっちゃったら…

あー!もう、やめた!

嫌なこと考えたらもっとブルーになる!

好きでいてもらえるようにしなきゃ。

何もがんばらないで好きでいてもらえる訳ない。
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