KRB夢
□22nd
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次の日。
祝日のため、学校は休み…だが午後からは部活だ。
ジャージに着替えていざ登校。
黄瀬「いってきまーす。」
黄瀬姉A「あっ、涼太!」
玄関先で姉ちゃんに呼び止められた。
どうせまた帰りに何か買ってこいとか言うのか…?
黄瀬姉A「ゆづきちゃん、部活に来るって〜?」
黄瀬「!」
意外にも彼女の話だった。
ちょっとだけ拍子抜け。
黄瀬「…来るらしいよ。朝、メールしたらもう熱下がったから大丈夫だって言ってた。」
黄瀬姉A「そう。よかったね。」
昨日の夜はあれから結局…
彼女は黄瀬家には泊まらず(苦笑)、
彼女の親戚だと名乗る、柳という人が車で迎えにきた。
*
柳「この度はご迷惑をおかけ致しました。本来であれば母親である私が迎えに行くべきでしたが、都合により申し訳ありません。と、ゆづき様のお母様から伝言を預かりました。」
黄瀬母「はぁ…」
黄瀬姉弟「!?」
「!…あ、あのっ…本当にすみません!言い訳になってしまいますが、母は今ちょっと…怪我をしていまして、運転ができないんです…。」
黄瀬母「そうなの…いやいや、そのことは全然構わないのよ。で…」
黄瀬姉A「あなたは誰ですか…?」
ちょ!姉ちゃん!
ストレート過ぎるけどっ…実際誰もが気になっていたことだ!
柳「申し遅れました。私は柳と申します。ゆづき様の…親戚、とでも言っておきましょうか。」
いやいや、それって本当は親戚じゃないってことじゃないの!?
ていうか”ゆづき様”って!
突っ込みどころ満載なんだけどっ!
「あ…あの、なんていうか…柳さんは…私の父の、秘書みたいな存在でして…」
黄瀬「秘書…あ!そっか。」
多分、赤司っちが派遣した人なんだろうな。
秘書って言ってたけど、本当は執事って感じか?
立場上彼女が言いづらいのもわかるけど…(苦笑)
うちの女達はどうも怪しんでるっぽいな。
後でフォローしておかなきゃだな。
黄瀬「…まぁ、とにかく、もう遅いからさ。せっかく迎えに来て下さったんだから、ね。」
「!…あ、うん。ありがとう。…本当にお世話になりました。お礼はまた改めてさせてください。…では。」
黄瀬母「またいつでもいらっしゃいね、ゆづきちゃん。お大事に。」
「!…はい、ありがとうございます。おやすみなさい。」
彼女が出て行った後、
女達3人から質問攻めにあったのは言うまでもない。
*
黄瀬姉A「しかし驚いたわ〜。ゆづきちゃん、お嬢様だったとは。どうりであんなに礼儀正しいわけだ。」
黄瀬「…お嬢様っていうのか?今でも戸籍上は普通の母子家庭だよ?」
黄瀬姉A「でもあの柳って人が来たってことは、その…赤司さんだっけ?その人と親交あるってことじゃん?」
確かに…
昨日赤司っちが彼女の家にいたってことは、
それなりに関わりが多くなったってことかな?
再婚するとか…?
そしたら赤司っちと一緒に暮らすってことだよな…!?
えー!
なんかそれ、俺としては複雑!
黄瀬姉A「あんた、逆玉狙えるんじゃないっ?」
黄瀬「…はっ?」
黄瀬姉A「しっかりつかまえておきなさいよ〜?ゆづきちゃん、可愛いからボーッとしてたら誰かにとられちゃうわよっ」
…それ、なんかぎくっとした。
俺、とっちゃった側だし…(苦)
でも、姉ちゃんの言う通り、
油断はできないよね。
そもそも俺達は、正式な恋人ではないんだし…
引退までまだあと半年もあるよ?
その間に彼女の気持ちが変わっちゃったら…
あー!もう、やめた!
嫌なこと考えたらもっとブルーになる!
好きでいてもらえるようにしなきゃ。
何もがんばらないで好きでいてもらえる訳ない。