KRB夢
□4th
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7人でぞろぞろと某アイス屋さんに向かう途中、
俺は運良く(!?)藍っちと隣同士で並んで歩くことに。
前の方では黒子っちと青峰っちがじゃれあってて、
桃っちはそれを見守りつつも黒子っちの隣をちゃっかりキープしてる(笑)
さらにその前では紫原っちと緑間っちが話しているようだった。
思えば、こんな風に藍っちと並んで帰るのは初めてのことだ。
ちょっぴり緊張しちゃってるんスけど。
…ちょっぴりね?(笑)
俺から何か話題を振ろうと思っていた時のことだった。
「そういえば黄瀬くんて、どうしてバスケ部に入ったの?」
黄瀬「!」
まさか、藍っちから話しかけてくれるなんて…!
ちょっと意外だったっス!嬉しい!
「…聞いてた?」
黄瀬「あっ、聞いてたっス!…えっと、バスケ部に入ったきっかけは…青峰っちのプレーを見て、すげぇなぁ!かっこいいなぁ!って思ったからっス!」
「…そうだったんだ。知らなかったな。」
黄瀬「真似できない人を見つけちゃったって感じなんスよね。でも、超えたいなぁって、心から思ってるっス。」
「そうなの。…大輝くんにね…」
そういや、藍っちは青峰っちのこと”大輝くん”って呼んでるんスよね…
なんか、ここの二人も何気に仲良さげなんだよな。
聞いてもいいもんかな…?
黄瀬「藍っちは、青…」
「ん?」
黄瀬「!…いや…皆と、仲良いっスよね。」
「皆って?」
黄瀬「ここにいる皆と…あ、あと赤司っちとも!」
「…そう見える?」
黄瀬「うん!呼び方とかも、桃っちとはまた違う意味で特殊だし…他の部員とは違う感じがするっス。」
すると、彼女は少しだけ間を置いて俺の方を見上げてくれた。
「そう見えるんだ。」
黄瀬「!…そう見えるっス。」
彼女はそれだけ言うと、また口をつぐんでしまった。
てか、俺、話下手過ぎっ!?(汗)
返しに困ること聞いてどうするんだよ!
「…まぁ、特にここにいる人達とは関わりも多いから…そう見えるのかもね。」
あ、続けてくれた。
まだ俺と話してくれるかな。
黄瀬「…部活以外でもっスか…?」
「うーん、そうだね…あっくんは去年同じクラスで一緒の委員会だったし、真ちゃんとは幼馴染だし…あとテツヤくん」
ん…!?
今…
黄瀬「真、ちゃん…て?」
「あ。しまった。また怒られる。…でも、黄瀬くんにならいいよね。緑間くんのことね。」
黄瀬「緑間っち…あぁ!緑間真太郎だ!」
大きな声で言ってしまったもんだから、前の方にいた緑間っちを含めた全員が俺の方に振り返った。
緑間っち、めっちゃこっち睨んでるし…
「ふふっ。後で黄瀬くんが真ちゃんに怒られちゃうかもね?」
黄瀬「!?…えぇー、まさか二人が幼馴染だったとは…」
「知らなかった?まあ真ちゃんはそういうこと自分から話さないか。」
知らなかった。
二人が仲良さそうなのはわかってたけど…
黄瀬「幼馴染だったからかぁ…」
「ん?何?」
黄瀬「いや、何でもないっス。…意外でびっくりしたっス。近所なんスか?緑間っちと。」
「昔はね、同じマンションのお隣さんだったの。でも、真ちゃんが中学上がる少し前に今の家に引っ越したから。」
黄瀬「そうだったんスかぁ。…え、でも普段は緑間っちのこと”真ちゃん”って呼んでないっスよね?何で?」
「校内では呼ぶなってうるさいの。まったく、誰もそんなこと気にしないのにね。」
あー…俺、もし聞いてたら普通に気にしてたかも。
てかむしろ、二人の関係をさらに疑っちゃってたかも。
単純バカ?
黄瀬「…まぁそれを言うなら、桃っちも青峰っちのこと苗字で呼んでるしね。普段は”大ちゃん”って呼んでるらしいっスよ。」
「うん、そうだね。でも、さっちゃんが他の人から大輝くんとのことをあれこれ聞かれるのはわかるけど、別に真ちゃんは私とのこと色々聞かれないだろうに。」
黄瀬「いやー…実際気になっちゃうと思うよ?」
「そうかな?私と真ちゃんだよ?」
黄瀬「…うー、ん。」
「何か中途半端な返事ね。」
あ、笑った。
藍っちの笑った顔、普段はそんなにいっぱい見られないから貴重なんだけど…
最近は結構見せてくれる気がする。
口角は少ししか上がっていないんだけど、これがいつも人形みたいな彼女のれっきとした笑顔なんだよなぁ。
つーか、言っちゃってもいい?
笑顔かわいいっス…!