KRB夢
□10th
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午後になり、男子バスケ部の練習が始まる10分前のこと。
いつもより遅めに青峰が体育館に現れた。
ゆづきは先程の黒子の話を聞いて、自分なりに整理をしたいと思った。
そのことを青峰に伝えようとした。
「…おはよう、大輝。」
青峰「!?…お、おう。おはよ。…」
青峰はドキドキしていた。
昨日のことがあって、これほどまでに自然にゆづきから話しかけてくるとは予想していなかったから。
「あのね、昨日の話なんだけど…」
青峰「!…」
「…少し、考える時間が欲しいの。…ダメ、かな?」
青峰「いや…ダメじゃ、ねぇよ…全然。むしろ、よく考えてほしいと思ってたぜ。」
「ありがとう。…返事する時はまた必ず連絡するね。」
青峰「おう。…」
俺はある意味昨日以上にドキドキしていた。
まさかゆづから話しかけてくるなんて。
しかも、部活中に”大輝”って呼び捨てで呼んだのは今までで初めてだ。
昨日のこと、ゆづにとっては迷惑な話だったのかな。
ゆづは恋愛とかそういう括りになると苦手意識持ってて、今までそういう話すらしようとしなかった。
俺とキスとか…そういうことをしておいてなんだけど、ゆづはそういう闇を抱えてる。
詳しいことはいまだによくわかんねぇんだけど…
俺はただ、ゆづと一緒にいられたら、それでいいんだよ。
ゆづの答えのことを考えるとモヤモヤするけど、練習はちゃんとやろう。
努力しねぇ奴はゆづが一番嫌いなんだ。
少しでも活躍してるところ見せなきゃな。
そんな様子を黒子はさりげなく見ていた。
さらにその様子をさりげなく見ていた人がもう一人…
黄瀬「…」
黒子も黄瀬も、複雑な気持ちを抱いていた。