KRB夢

□10th
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その日の部活も順調に終わり、各自自主練習の時間となった。

青峰は正直のところ気が気でなかったが、いつも通り自主練習に取りかかることにした。

多分しなかったら、ゆづきに何か思われるだろうと予想して…


同じ頃、

体育館の隅の方ではある二人が話をしていた。


赤司「ゆづき。」

「!…な、何?」


赤司がゆづきに声をかけた。

この二人は役職の関係上関わりも少なくはない。

だが、それ以上に深い関わりを持っている。

そのことはまだ誰も知らない…


赤司「お疲れ様。今日も一日ありがとう。」

「お、お疲れ様。…どうしたの?何か用事?」


突然のことということもあってか、平静を必死で装うゆづき。

思わず目線も赤司から外していた。

それを赤司は見逃すわけがなかった。


赤司「…部活中に俺と目を合わせて話すのは嫌なのかい?」

「っ!…」


その言葉に、思わず赤司の顔を見上げるゆづき。

じっと赤司の目を見つめると、少しだけ微笑んでくれたような気がした。


「そんな、ことない…よ。」

赤司「…練習中にプライベートな話をするのは好きではないが致し方ないので許してくれ。明日、父さんが一緒に食事をしないかと言っていた。昼頃何か予定はあるかい?」

「!…ううん、特にないよ。」

赤司「そうか、よかった。じゃあまた時間などは連絡するから。」

「わかった。…」


その数分だけの会話を、キセキのメンバーを含め他の部員達も横目で気にしていた。

赤司とゆづきの関係は謎に包まれているのだ。


数分後…


桃井「藍ちゃん!今日一緒に帰れる?ケーキバイキングのタダ券もらったの!行かない?」

「あ…さっちゃん、ごめん。今日は夕飯当番なの。」

桃井「そっかぁ。いつも大変だね。」

「ごめんね。…あ、テツヤくん誘ってみたら?」

桃井「えっ!テツくんを!?えー、そんなの恥ずかしいなぁ。断られたらショックだし〜。でもテツくんと行けたらそれはそれでハッピーだし〜…」


思わず笑ってしまったゆづき。

いわゆる恋する乙女の顔をしている桃井が微笑ましく思えた。


桃井「!…藍ちゃん、なんか最近よく笑うようになったね?」

「え、そうかな…」

桃井「うん、すごく柔らかくなった感じ。可愛さ倍増だねっ!」

「そんなことないよ。さっちゃんは口が上手いなぁ。」

桃井「他の人も言ってたよ。藍ちゃんの笑顔は可愛いって。ある男の子がっ♡」

「えっ!?」

桃井「うふふ。モテモテだね〜、藍ちゃん。」


桃井は黄瀬のことを言ったつもりだったが、ゆづきは青峰のことを言っているのではないかと思っていた。

ゆづきは少し恥ずかしくなった。


恋のラインはすれ違っていた…
























つづく
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