KRB夢

□15th
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次の日の部活は不穏な空気が漂っていた。

青峰の雰囲気がいつもと違うのは歴然だった。

バスケのプレーは攻撃的すぎるくらいで荒々しく、その言葉通り、誰にも止められなかった。

もちろん、ゆづきもその異変に気付いていた。

部活が終わって自主練習の時間になってからも、青峰の機嫌は決して良いと言えるものではなかった。

さつきも心配してか、いつものように態度の悪い青峰に突っかかる。

ゆづきはそれを横目で見ていた。

その時…


赤司「藍川。」

「!」

青峰「!」


ゆづきは赤司に話しかけられた。

その場面を青峰は見逃さなかった。


「は、い。どうしたの?」

赤司「今度の練習試合のことでコーチと打ち合わせがある。来てくれるかい?」

「わかった。…」


赤司の後を追うようにして歩き始めた時、青峰のことをちらっと見た。

するとその時、バチッと目が合った。

が、青峰の方がすぐに目をそらし、体育館の外へ逃げるように去って行った。

ゆづきは自分が避けられていることに気がついた。

ショックを受け、思わず足を止めていた。


赤司「…どうかしたのかい?」

「…なんでもない。ごめんなさい。…」


その時の様子を見ていた他のキセキの世代。

黄瀬ももちろん見ていた。


黄瀬「…」

紫原「…ねぇー、なんかさー、峰ちんが機嫌悪いのって、藍ちんと関係あったりするのかなー?」


意外と周りのことを見ているのか、何かと鋭い紫原。


黄瀬「!…どうなんスかね…」

紫原「喧嘩でもしたのかなー」

黄瀬「喧嘩って…小学生じゃないんスから。もっと深刻なやつだと思うんスけど…」

紫原「…黄瀬ちん、何か知ってるね?その感じは。」

黄瀬「いや、本当に知らないっスよ。…」

紫原「…藍ちんがあんな顔すんの、あんまり見たくないなー。」

黄瀬「!…そうっスね…」


黄瀬はもちろん、紫原にとっても心配になるほど、ゆづきは悲しげな表情を浮かべていた。

どこまで干渉していいものか。

ゆづきと青峰、

二人との距離をどうもつべきか考えずにはいられなかった。
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