KRB夢

□17th
2ページ/3ページ

授業中も、俺の頭の中では彼女のことでいっぱいだった。

昨日の彼女とのハグやキス。

今朝の笑顔や優しさ。

浮かれるっていうのはこういうことだ。

彼女のことを考えただけで、

なんだかあったかい気持ちになれる。

単純かな、俺。


でも…

どんなに浮かれていても、

俺は彼女の彼氏ではない。

彼女にはちゃんとした彼氏がいるんだ。

しかも俺が憧れを抱いている人…


自分の立場をわきまえないといけないのはわかってるんだけど、

いざ彼女と二人きりになって、

いいムードになっちゃったらもう降参。


昨日の俺は、あまりにも身勝手だったかな…

彼氏持ちの子を抱きしめたり、キスしたりするなんて…


胸がチクチクする。

今更罪悪感ってやつに襲われてるらしい。

俺、このままだと歯止めがきかなくなりそうだ…

彼から彼女を、奪いたくなってる…?


キーンコーン

カーンコーン


黄瀬「!…」


考え事をしている間に授業が終わっていた。

俺はノートを高速でとる羽目になった。


紫原「黄瀬ちーん、ご飯行こうー?」

黄瀬「あっ、うん!でもちょっとまだノートがっ…」

紫原「何ー?全然とってなかったのー?さっきまで何やってたのさぁ。」

黄瀬「ちょっと考え事を…あ、紫原っち、先行ってていいっスよ!多分後から行ってもまだ食べてるっしょ?(笑)」

紫原「えー?あー、うん。そうかもねー。わかったー、じゃあ先行ってるねー。」

黄瀬「ごめんねっ、終わったらすぐ行くっス!…」


俺は必死でノートをとり、

その後は急いで食堂に向かった。

それほど待たせたつもりはなかったが、

紫原っちはすでに一人前の量をほぼ食べ終わっていて、

二杯目のご飯に取り掛かろうとしていた。


黄瀬「相変わらずよく食べるっスねー。」

紫原「そうー?黄瀬ちん、あんまり食べないとスタミナ切れるよー?」

黒子「…どうがんばったらそんなに食べられるんですか、紫原くん。」


黒子っちが突然現れた。

つい二人してびっくりしてしまった。

なんか久々だ、この感じ(笑)


黄瀬「黒子っちは食べなさ過ぎっス!」

紫原「本当だよー、俺のちょっとあげようかー?」

黒子「いや…ギブです。」

桃井「あー!テツくーん!」


向こうから桃っちがやって来た。

いの一番に黒子っちを見つけると、

すかさず隣の席に座っていた。


桃井「テツくんの少食なところもいいなぁ♡」

緑間「言ってることがよくわからないのだよ、桃井。」


あ、緑間っちも来た。

なんか続々とメンバー集まってるな。

っていうか緑間っち、

今日もわけわからんアイテム持ってるし…

何あれ?


桃井「ミドリンには乙女心ってものがわからないのねー!」

緑間「なんだと。」

紫原「んー、さっちん、ごめん。俺もさっきのはよくわからないやー。いっぱい食べる方がよくないー?」

桃井「んもう!ムッくんまでー!…」


皆楽しそうだな、とか思ってたら、

赤司っちまで登場した。

ん…?

ここまでくればあの二人だって…


いや、

ここにあの二人はいないみたい。

いないってことは、

今、二人でいる…?


黄瀬「…」

赤司「こうして部活以外の場で皆集まるのはなんだか面白いな。」

黒子「まだ皆揃ってはいませんが。」

紫原「峰ちんいないねー。あと藍ちんも。」

桃井「!…」


桃っちと目が合った気がした。

俺の事情を知ってるのは、このメンバーでは桃っちだけだ。

黒子っちには名前を打ち明けてないから、多分バレてない。はず。


あの二人がここにいなくてもおかしくはないさ。

二人は特別な関係なんだから…


緑間「別に約束していたわけじゃないのだから、いなくても当たり前なのだよ。」

赤司「それもそうだな。…」


ここにいるメンバーは、

二人が付き合ってること知ってるんスよね。

皆、二人のことを祝福してるよね、きっと。

俺は、輪を乱すわけにはいかないのかもな…



食事を終え、教室へ戻ろうとした時、

紫原っちが急に屋上へ行きたいと言った。

お菓子を食べたいらしい。

教室だと他の人の目が気になるからかな?

よくわからないけど、俺も一緒について行った。

そこで事件が起きているとも知らずに…
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ