KRB夢

□18th
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その日の部活…


彼女と青峰っちは目を合わすこともなかった。

俺が見ていた限りでは、一度も話すらしていなかった。

こんなことは珍しい。

でも、昼休みの出来事を知る身としては少し納得もできた。


いくら俺が彼女を好きで、

彼女と付き合いたいとまで考えている立場だとしても、

二人の様子が心配なのも本音だ。

亀裂が入ってしまった原因は、

少なからず俺にもあるんだから…


俺はどうしたらいいんだろう。

これ以上彼女の悲しむ顔は見たくない。

桃っちや紫原っちが言ってくれた言葉を信じて、糧にして、

動いてみようか…

俺に彼女を救える技量はある?


恋じゃなくてもいい。

恋じゃなくてもいいから、

彼女のことを守りたい。

彼女に笑っててもらいたい。

彼女に、幸せになってもらいたい。

そう願えば、やることは絞られるはず。


青峰「さつき、メニュー表見せろ。」

桃井「えっ、あ、うん。…はい。どうしたの?珍しい。」

青峰「あ?何がだよ。」

桃井「いつもなら私じゃなくて何かと藍ちゃんに頼るじゃない。」

青峰「!…」

桃井「何か、あったの?喧嘩?」

青峰「うるせー!何でもねぇよ!…ちっ」


あーあー、

桃っちにまであんな態度とって…

機嫌悪いのはわかるけど、

周りに当たるなんてダメっスよ。


桃井「…はぁ。…!」

黄瀬「!…」


桃っちと目が合ってしまった。

なんとなく、そのまま目で会話できたような気がする。

でも、近くに寄って話しかけることにした。


黄瀬「大丈夫っスか?」

桃井「うん、もう慣れっこだからね(苦笑)」


小さい頃からずっと一緒に過ごしてきたからこそ、

受け入れられるもの…?


桃井「まったく、八つ当たりしないでほしいよね。あいつ、わかりやす過ぎ!本っ当、まだまだガキなんだから〜!」

黄瀬「…桃っちは気にしない方がいいっスよ。今はちょっと、ね。」

桃井「!…きーちゃん、あいつが機嫌悪い理由知ってるんだ?」

黄瀬「えっ!?」

桃井「あ、ビンゴ。えー、でも藍ちゃんとのことでしょ!?あの二人、今日全然口もきいてないもんね!何かあったとは思ってたんだけどー…きーちゃんは知ってるんだ?」


俺、墓穴掘った…?(苦笑)

まあ、桃っちも元々するどいからな。

それに、

青峰っちのことは一番よくわかってるんだしね。


俺は休憩時間中、桃っちに少しだけ事情を話した。

昼休み、屋上であった出来事を…


桃井「そっか、そんなことが…藍ちゃん、傷付いただろうね…」

黄瀬「…ん…でも、青峰っちも、ちゃんとわかってると思うんだけどな…自分が悪かったって…」

桃井「誰の心配してるのよ!きーちゃんは藍ちゃんの心配してればいいのに。」

黄瀬「あ…でも…」

桃井「青峰くんなら大丈夫よ。私に任せて?…だから、きーちゃんは藍ちゃんのことフォローしてあげてね?」

黄瀬「…桃っち…」

桃井「今藍ちゃんを救えるのは、きーちゃんだよ。きっと。」


紫原っちと同じように、

俺の背中を押してくれた桃っち。


ねぇ、藍っち。

いつだか言ってくれた言葉、

今でも信じてていいかな?


俺には何でも話していいよ。

飾らずに、

ありのままのあなたで、

俺の前では素直でいて…?

全部受け止めるよ。

俺がそばにいるよ…
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