KRB夢

□18th
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無事に練習も終わった。

自主練に励む人達の中、

俺は彼女とどうしても話がしたかった。

昨日した約束、覚えてるかな…?

今日あんなことがあったから、

有効のままなのかと気になっていた。


幸か不幸か、青峰っちは他の体育館に行ってしまった。

俺が変に気を遣う必要はないはずだったけど、

あの話を聞いたら、青峰っちの前では彼女に話しかけづらかった。


今は、これこそ、ある意味チャンスだ。

と思っていた矢先、

彼女も俺のいる方向を見ていたらしく、

バッチリ目が合った。

思わず一瞬胸が高まる。


彼女は早足でこちらに向かってきた。


黄瀬「…っ!」

「お疲れ様。今、目が合ってたよね?」


話しかけに行こうと思っていたのは、

お互い同じだったみたい。

なんか、こういうの照れる。


黄瀬「そうっスね…(恥)」

「黄瀬くん、昨日のこと、覚えてる…?一緒に帰るっていうやつ…」

黄瀬「も、もちろんっスよ!てか俺も今、それを聞きに行こうかと思ってたんス…!」

「そうだったの。奇遇だね、テレパシーかな?(笑)」


か、かわいい…!

って!

ノックアウトされてる場合じゃない!


「黄瀬くん、まだ練習していくでしょ?急がなくていいから、私、待ってていいかな…?」

黄瀬「!…もちろんいいっスけど…今日はもう帰ろうと思ってたよ?早い方が良くない?」

「私に気遣って練習おろそかにしちゃダメよ。いつもの自分の課題、あるでしょ?」


そんな顔で言われちゃったら、

がんばるしかないっス…!


黄瀬「じゃあ…もう少しだけ、やっていく。…俺が送っていくって言い出したのに、待たせちゃうの申し訳ないけど…」

「ううん、気にしないで?お願いしたのは私なんだから。…じゃあ、図書館かどこかにいるね。終わったらメールくれる?」

黄瀬「うん!…あっ…」


彼女を呼び止めてしまった。

つい、心配になって。


黄瀬「…き、気をつけて、ね…?」

「校内なら大丈夫だって。…ありがとう、心配してくれて。」


彼女は少しだけ笑って、

体育館を後にした。


俺との約束、ちゃんとまだ有効だったみたい。

よかった…


よかった、のか?

彼女はまだ青峰っちと気まずいままじゃないか?


俺が彼女と一緒に帰って、

余計にこじらせることにならなきゃいいけど…

でも、今日彼女を守るのは、

俺の役目だ。

使命を果たそう…!
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