KRB夢
□20th
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しかし、
彼女の予定が狂う前兆が…
赤司「青峰がいないようだが。」
黒子「緑間くん、同じクラスですよね?知りませんか?」
緑間「学校には来ていたのだよ。HRが終わってからは知らないが…」
紫原「峰ちんが部活休むとか珍しくなーい?さっちん、知らないのー?」
桃井「えっ、私!?知らないわよ!私もさっき校内では見かけたけど…」
「…!」
黄瀬「…」
俺と彼女だけ、違う意味で動揺していた。
こうなることは、全く予想していなかった訳じゃない。
やっぱり、神様は見てるのかな。
罰が当たったのかな…
皆には気づかれないように、
桃井はゆづきに小さな声で話しかける。
桃井「…藍ちゃん。今日青峰くんと会った?何か知らない?」
「…ん、ごめん。知らないの。今日、顔見てもいないし…」
桃井「!…そっか。…青峰くんと何かあったみたいだけど…藍ちゃん、大丈夫?」
「!?…さっちゃん、何か聞いた…?大輝、くんから…」
桃井「ううん、何も聞いてないよ。昨日も二人、様子変だったしね?何かあったんだろうなぁって思ってただけ。…喧嘩とか?」
「…喧嘩ではないよ。でも、ちょっと、色々あってね。落ち着いたらさっちゃんにも話すね。ごめん…」
桃井「藍ちゃんが謝らないで?私でよければ、何でも言ってね!?」
彼女と桃っちがコソコソ話していたみたいだった。
多分、青峰っちの話だろう。
しかしこの事態はどうしたもんか。
青峰っちが部活に来ないとは…
学校には来てたってことは、
病欠じゃないっスよね?
原因はやっぱアレかな…
赤司「まあとにかくミーティングを始める。桃井か藍川には青峰と連絡をとってもらおう。後で報告してくれ。」
桃井「はい…!」
「…はい。」
ミーティングの後はいつも通り練習が始まった。
ふと彼女を見ると、さっきと同じように不安そうな顔をしていた。
多分、青峰っちのことが気になるんだろうな…
俺だって気が気じゃないし。
相変わらず、青峰っちとは連絡がとれていないようだった。
*
しばらくして、休憩時間になった。
俺は、彼女がいないことに気が付いた。
黄瀬「桃っち!」
桃井「!…きーちゃん。何?」
びっくりして、勢いで桃っちのところに来ちゃったけど、
彼女のことを聞くのはどうかと思って一瞬ためらった。
たまたま少しいないだけかもしれないし…
黄瀬「あ…えっと…」
桃井「…藍ちゃんならちょっと席外してるだけよ。」
言わなくても彼女のことを気にしてたって、
桃っちにはバレてたみたい。
桃井「心配しなくても、休憩終わりまでには戻ってくるよ。」
黄瀬「そうっスか。…」
桃井「…ねぇ、きーちゃん。」
黄瀬「な、何スか…?」
桃井「藍ちゃんと…上手くいったりしちゃった…?」
まさかそこまでバレてたとは予想もしていなかった。
でもでも落ち着け。
まだ俺と彼女は恋人同士になった訳じゃない。
彼女だっていずれは仲の良い桃っちに事情を話すかもしれないけど、
今俺が言えることだけを言わなくては…
黄瀬「ち、違うっスよ。…でも俺、告白したんス。ちゃんと彼女に。」
桃井「!?…そ、そうだったの!?」
黄瀬「うん。はっきり好きだって、言っちゃった。今はまだ、そこまでの報告にしとくね。お世話になった桃っちには、進展あったらちゃんと話させて。」
桃井「…うん、わかった。待ってるね。…ねぇ、そのこと青峰くんは…!?」
黄瀬「知らないはずっスよ。俺が告白したのは昨日だし。…」
桃っちは、青峰っちのことが心配なんだよね。
それは、彼女の心配とはちょっと違う。
幼馴染として、放っておけないんだよね。
桃っちは何度も俺の背中を押してくれていたけど、
いざ本当に彼女と結ばれようとするのは、
もしかしたら想定の範囲外だったのかもしれないね…
そうこうしてたら彼女が体育館に戻ってきていた。
まだ、表情は曇ったままだった。