KRB夢

□22nd
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学校に着き、部室に荷物を置いて着替えた後、体育館に向かった。

何人かすでにアップをしていた。

俺はいつも以上にキョロキョロと辺りを見渡したが、

青峰っちの姿はまだないようだった。

彼女によると今日は練習休まないらしいけど…

本当に大丈夫なのかな…?

あの二人…


俺もアップを始めて数十分経った後、

入口の方で女の子の声がした。

彼女と桃っちが練習で使う用具を運んでいた。


黄瀬「!…」


俺はつい視線をそっちに向けてしまっていた。

おかげで彼女と目が合った。


「…!」

黄瀬「!…(照)」


彼女は少しだけ笑ってくれた。

それだけで俺は顔が赤くなったような気がしていた。

それにしてもよかった。

彼女の熱がすぐに下がって。

本当はあんまり無理しないでほしいんだけどな。



部活開始の時間、5分前になったその時だった。


青峰「うーっス。」

黄瀬「!」

桃井「青峰くんっ!…」

「!…」


青峰っちが現れた。

少し汗をかいているから、

すでにどこかでアップしてきたと思われる。

桃っちが昨日連絡とれなかったことを言い攻めてて、

青峰っちが悪かったよと謝ってた。

彼女は…大丈夫かな…?

チラッと彼女の方を見ると、

複雑だけどいつも通りでいよう、

っていう表情で青峰っちを見ていた。

青峰っちから少しずつ、彼女に近付く。


青峰「…よう。昨日は、悪かったな。ゆづにも迷惑かけた。」

「!…んーん。…今日からまた、がんばってね。」

青峰「おう。…とりあえず、赤司んとこ行かねぇとな。マジでそれをがんばんねぇと…」

桃井「早く行きなさーい!超厳しいペナルティでも知らないからねっ!」

青峰「あー、わかったよ!保護者みてぇなことばっかすんなよなぁ、さつきは。…」


ふと、目が合った。

ぎくっとした。


黄瀬「!」

青峰「…よう。黄瀬。」

黄瀬「お、おはようっス。…」


正直、俺はかなり動揺していた。

何言われるか、マジで怖かった。

でも、あくまで平静を保たなくては…


青峰「…あとで1on1付き合え。」

「!」

黄瀬「!…望むところっス!」


青峰っちがこんな風に話してくれるなんて、

思ってもみなかった。

素直に嬉しかった。

俺は青峰っちに頭が上がらなくなった。

そしてまた、彼を尊敬した。

後から聞いた話によると、

彼女もこの時、感動していたらしい。

想像以上に青峰っちは大人だった。


部活が嫌にならなくてよかった。

お互い、バスケの選手として、

切磋琢磨しながらやっていけたらいいな。



部活も終わり、自主練タイム。

タオルを取りにベンチのところへ行き、

そのままわしゃわしゃと顔の汗を拭う。

すると突然、視界に入ったのはスポドリのボトル。

あー、喉渇いてたんだよなぁ…

もしかしてそれ、俺に…?

と思ったら、それを持っていたのは彼女だった。


「はい、どうぞ。お疲れ様。」

黄瀬「っ!?…お、お疲れっス…あ、ありがとうっ…お、俺が、もらっていいんスか…?」

「もちろん。」


昨日以来、今日はまともに話していなかったから驚いた。

正直、心臓ドキドキいってるけど…

あ、青峰っちは…いないのかな?


「そんなに警戒しなくても誰も見てないって。彼もいないよ。」

黄瀬「あ…そ、そう。…」


なんか俺だけビビってるみたいでかっこ悪いな。

それに比べて彼女はいつも通り、冷静沈着。

本当、青峰っちだけじゃなくて、

俺とも何もなかったような雰囲気で接してくるなぁ。

まあそういう約束なんだけどさ。

俺はドキドキしちゃってるよ?

だって昨日もあんなに一緒にいて、

しかも俺のベッドで寝てたんだし、

熱で弱ってたせいか妙に色っぽかったし、

マジでギャップ萌えだったわ。

それにそれに、今までで一番っていい程、

ディープなちゅーまでしちゃったし…!


「黄瀬くん、顔ニヤけてる。怪しいよ(苦笑)」

黄瀬「えっ!?ほ、本当…?」

「本当。…ふぅ、まったく。何思い出してたんだか。」


昨晩のあなたからのキッスを思い出してたっス…!

なんて言ったらマジで変態か。


「…黄瀬くんて…」


彼女は去り際に俺の耳元で呟いた。


「ちょっとじゃなくて、結構エッチなのね。」

黄瀬「!!…っ」


は、は、恥ずかしい…!

けど、

否定できないっスー!

ていうか、耳元で囁くのマジ反則!

誰かに見られてたら本当にまずいよ!

俺、絶対顔赤いだろうし…っ

あー!もうしばらくタオルかぶって休憩だっ!

くそぅ…また彼女に一本取られたって感じ。

でも…

なんか幸せだなぁ(泣)
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