KRB夢

□23th
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俺は、居ても立っても居られなくなって、

二人の前に姿を現した。


黒子「!…黄瀬くん…」

「!?…っ」


驚く二人。

予想はしていたが、彼女の目には少し涙が溜まっていたのがわかった。


黄瀬「…」


俺は、ゆっくりと彼女に近付いた。

俯いている彼女の目の前に立つと、

その小さな華奢な身体を包み込むように抱きしめた。


「!?…き、黄瀬、く…」

黄瀬「ごめん…ごめんね…」


彼女がどこか悲しそうな目をしていた理由が

ちゃんとあったことがわかった。

そしてそれは、俺も関わっているみたいだった。


黄瀬「…黒子っち、詳しく教えてくれないっスか?」

黒子「…藍川さん、もういいですよね?黄瀬くんに話しても。きっと僕よりもずっと頼りになりますよ。」

「っ…テツヤくん…!…テツヤくんは頼りなくなんかないからねっ…!?」

黒子「ありがとうございます。嬉しいお言葉です。…」


その後、黒子っちがわかる範囲全ての真相を話してくれた。

途中で彼女も落ち着き、自分の口から真実を話してくれた。


俺は、自分自身を責めた。

そして、彼女を傷付けた張本人達と話をしようと決めた。

でも…


黄瀬「…俺、ちゃんと気付いてあげられなくて、ごめんね。」

「ううん…黄瀬くんは何も悪くないんだから。…私こそ、少し避けるような態度とったりして、ごめんね…」

黒子「藍川さんは優しいから…黄瀬くんに心配かけまい、迷惑かけまいとしたんですね。」

「自分に非がないこと、頭では分かってるんだけど…黄瀬くんと話してるところをまた見られてたらって、臆病になってたの。だから…」

黄瀬「藍っち!」


俺が突然大きな声を出したもんだから、

彼女はびっくりしていた。


黄瀬「俺と、話したいって思ってくれる時があれば、話して!俺と、会いたいって思ってくれる時があれば、会いたいって言って!周りの目なんか気にしなくていいんスよ!俺が、そうしてくれたら嬉しいんスから!」

「黄瀬くん…」

黄瀬「俺が好きなのは…藍っちだけなんスから。」


特別な存在は、あなただけ。

ずっと変わってない。


黄瀬「藍っちも…俺のこと、好きでいてくれてるんスよね…?」

「…っ、うん。好き…っ」

黄瀬「!…だったら、もう俺の前で無理しないで?何でも言って?俺に申し訳ないって思わなくていいから!」

「…ん。」

黄瀬「…もう一人で悩んで傷付かないでよ…」


ぎゅぅ

っと彼女を再び抱きしめた。

二人の心が、離れないように。


黒子「…あのー、僕のこと見えてます?」


黒子の声に身体をびくんとはねさせられた二人。

さすが影(笑)


「!…ご、ごめんね、テツヤくん!?」

黄瀬「黒子っちのことそっちのけで二人の世界に浸っちゃったっス!」

黒子「黄瀬くん、悪いと思ってないでしょう?」

黄瀬「思ってるっスよー!今回はマジで黒子っち、お世話になりました!色々助けてくれたみたいで、本当にありがとう。」

黒子「!…黄瀬くんにお礼を言われるのは何かムカつきます。」

黄瀬「えっ!?なんでー!」

黒子「…とりあえず、奴らのところに行くんじゃないんですか?黄瀬くん。」

黄瀬「!…そうだ。行くっス。女の子だろうがタダじゃおかないっス。俺の大事な藍っちを傷付けやがって…!」

黒子「あ、そういうのちょっとイラッとします。」


黒子っちとやんややんや言いながら、

俺達は奴らの教室へ向かった。
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