KRB夢

□24th
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深く甘いキスが長く続いた。

そのうち、俺の左手が彼女の身体をなぞるように首筋から肩へ、

肩から腕へ、そして手を繋ぎながらキスを続けた。

右手は彼女の左肩にあり、そっと抱き寄せていた。

俺はほぼ無意識に、その右手を下に移動させてしまった。

彼女のことが好きで好きでたまらないから、

彼女との距離を近付けたくてたまらないから…

理由は色々あるかもしれない。

けど、何より、

一番は自然とそうしたくなっちゃったから…かな?

俺は気付くタイミングが逆だったくらい。

彼女が唇を離し、少し俯いて、

そのまま複雑な表情で俺を見上げた。

何事かな?と思って彼女を窺う。


黄瀬「…ん…?」

「…恥ずかしい…」

黄瀬「えっ!?な、なんで!?」

「なんでって…右手、フリーズしたままだよ…?」


俺は自分の右手に視線を移すと、

見事に彼女の左胸に吸い付くように掴んでいた。

あ、優しくだよ!?


黄瀬「っ!?」


無意識だったあまり、彼女よりも自分の方が驚いてしまった。


黄瀬「ご、ごめんっ!俺…っ、ちょっと…無意識、だったっス…」

「!…無意識?」

黄瀬「あまりに夢中で…その…藍っちと…くっついていたくてっていうか…えっと…」


あー、あー!

いい言い訳が浮かばないー!

何やってんだよぅ、俺!

初めて家に来たんだぞ!?

ていうか俺達まだ付き合ってない…


「…ふふふ。」

黄瀬「!…そこ、笑うんスか。」

「うん、ごめん。ふふ。黄瀬くん、かわいい。」


ちゅっ

と彼女から触れるだけのキスをもらった。

やばい。

めちゃくちゃドキッとした。


黄瀬「!…か、かわいいって何スか…」

「あ、男の子はかわいいって言われるの嫌かな?」

黄瀬「…そりゃ、かわいいよりはかっこいいの方が嬉しいっスけど…」

「でも黄瀬くん、私の前ではかっこいいしかわいいよ?」

黄瀬「!?…褒めてるんスよね、それ?」

「うん、褒め言葉として受け取ってくれたら私も嬉しいよ。」

黄瀬「…じゃあありがたく受け取っておくっス。でも…」

「ん?…」


ちゅっ

て彼女に仕返しのキスをした。


黄瀬「一番かわいいのは藍っちっスよ。」

「!…それ、さすがに照れるよ…」

黄瀬「藍っち。…好き。大好き。」

「…私も黄瀬くんが好き、だよ。…」

黄瀬「嬉しい。…俺、ちょっともう歯止めきかないかも…」

「!…」


彼女の頬に手を寄せて、

まっすぐ目を見て言った。


黄瀬「藍っちに、もっと触れたい…」

「…いいよ。」


俺はその言葉を聞き終えると、

キスをしたまま彼女を優しく押し倒した。
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