れんあい!

□苦い恋
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「君は…よほど僕が好きなんだねぇ…」


眼鏡越しにチラリ、濡れるあたしを嘲笑する瞳がたまらない。
マゾヒスティックとかそういうのじゃなくて、本能的に。
彼の仕草や視線、雰囲気がどこか儚げで危なっかしくて好き。


「それは、迷惑?」


あたしはオコサマで、カケヒキなんて出来なくて、いつもまっすぐに彼に問うことしか出来ない。
コーヒーを飲みながらもあたしから目を離さない彼は、今、何を考えているのだろう。


「まぁ、迷惑か否かは別として君もこちらへおいでよ。
女の子が雨に打たれてるのをずっと見てられるほど――君ほど悪趣味じゃないからね」


ニンマリやらしく妖艶に笑うと猫の尻尾のような、ように、指を動かした。
あたしは一歩、彼の居るカフェの中へ行く。


「君は悪趣味だよ、実にね。」


雑に投げられたハンカチを受け取り、彼を見ると口パクで「拭け」と言われた。
カフェのオープンテラスには彼とあたし2人ぼっち。
テーブルに備わってる傘は恐らくパラソルなのだろうが、雨粒一つも通さない。頭のてっぺんに弾んでいた雨粒はその傘により遮られ、あたしを、あたしのラインを雨粒が滴った。
冷たい。

 
「好きになっては、迷惑でしたか?」

「いやぁ、迷惑ではないよ、迷惑ではない」

「じゃあ」


ガタ、と彼が椅子から立ち上がった瞬間、唇が熱い。
許可なくいきなり入り込んでくる舌と熱々のカプチーノ。
目を見開き、眉をしかめたと同時に唇が離れ、彼の視線はあたしの瞳を射ぬいた。




「君の方こそ、迷惑じゃないかい?」























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