雑SS

□クリーム程に甘い言葉を
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ぴちゃりぴちゃり



ぴちゃりぴちゃり






俺は指についたクリームを舌で舐めとる。
口の中に広がる甘さに口元が綻ぶ。先程まで口の中は奴の精液の味がしていたのが今では全て一掃されている。
ケーキを手で鷲掴みにして食ってるからまた手に生クリームが付く。
「ちゃんとフォーク持ってきて食えよ」
隣で肩に着物を掛けただけの土方が呆れた様に眉間に皺を寄せる。フワリと煙を吐き出している姿はムカつくくらい様になっていると思う。
「ワザワザ取りに行くの面倒なんだよ、トシ君がムチャするからさぁ」
仕事が早く終わったとかで夕方ケーキ片手に訪れた土方とそのままなし崩しに布団にもつれるように倒れ込み何度も繋がり合った。漸く一息つく頃には日付が変わる一時間前だ。
「だからってなホールケーキを手で食うなよ」
土方の買ってきたケーキは大きなイチゴがたっぷり乗ったショートケーキのホール。先程開けたケーキの半分は既に俺の胃の中に消えている。
「イイじゃん。どうせお前は食わないんだろ」
「まぁな」
土方が甘いものが得意じゃないのは知っている。しかも食べるときは大量のマヨネーズをかけるもんだから毎回大喧嘩。
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