黒と白の鍵合わせ

□それは偶然で
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 日中やることも無くぼーっとするのにも飽きた俺は暇つぶしにテレビのスイッチを入れた。
昼やる番組といやニュースやらお笑い番組程度、カチカチとボタンを押して画面を変えるが面白そうなものは見つからず消そうとした瞬間始まった料理番組に目が釘付けになった。
そこに映っているのはピンクのフリルがふんだんに使われたエプロンを身に着けた男の姿。しかもそれは良く見知った男で・・・
「何やってるんだ!?アイツ」
「あ、旦那じゃないですかィ」
いきなり後ろに現れた総梧に驚き振り返れば奴はテレビを見ながら何かを納得したように頷いていた。
「・・・何頷いてんだお前?」
「いゃぁ旦那のエプロン姿可愛いじゃないですか」
「男のエプロン姿の何処がだよ!!!しかもピンクだぞオイッ」
俺の突っ込みに総梧はフッと口の端を上げて笑い腕を組む。明らかに人をこ馬鹿にした様子に俺は眉間の皺を深める。
「なんでさぁ土方さんは旦那のエプロン姿に萌えないんですかィ?ほらほら料理も上手いみたいじゃないですかぁ・・・・・・未来の奥さん」
最後の言葉に俺はついつられるようにエプロンを身に着け愛妻料理を振るう銀時の姿に―――
「おぇ〜〜〜〜」
つい気持ち悪さに吐き気が込み上げてくる。笑顔全開で俺の帰りを待つなんて気持ち悪すぎる。
「止めてくれ・・・」
「一体何考えてんでさぁ」
不思議そうな顔で首を傾げる。
「あ、番組終わった」
気付けば番組は終了しニュースに切り替わっていた。 総梧も興味がなくなったのか愛用のアイマスクを着けて畳みに寝転びだした。
「・・・・・」
俺もテレビを消し開いた窓から真っ青な空に目をやる。雲も見えず本当に青しか見えない。
エプロン姿の銀時、案外似合ってるのが笑えてしまった。でもアイツにはピンクよりも白の方が映える。フリルも今のよりももう少し細かくて裾に多めにあしらったのがいいだろう、一層今度冷やかしにエプロンをプレゼントしてやるのも良いかもしれない。
絶対に見た瞬間に嫌な顔をするに決まっているが嫌がらせなのだからそれでいい。


「さぁどこで買うかな・・・・」



END


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