雑SS

□約束の場所
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  一週間に一日銀時は必ず向かう場所がある。決められた場
所、決められた時間。
 そこへ行けば必ず見つけられる。


―約束の場所―


 今日は待ちに待った火曜日。この日は一時過ぎに川沿いの土
手へと向かえば緑の中に目的の色を発見する。
 風でゆらゆらと揺れる草に寝込んでいる黒。
 銀時はなるだけ足音を立てないようにして傍まで近付く、眠
る相手の顔を覗き込めばいきなり目を開き髪と同じ黒い瞳と対
面した。
 「来たのか…」
 頷くと小さく笑いふわふわの銀時の頭を撫でてくれた。それ
が嬉しくて圧し掛かるようにして抱きつけば今度はクスクスと
笑われた。
 「眠い〜」
 今日は天気もよく丁度いい風も吹いている。そして傍にある
温かな温もりと匂いに睡魔が押し寄せてくる。銀時は寄りかか
る様して頭を預ければ髪を梳かれ直に眠りの世界に落ちていっ
た。
 「おやすみ。銀時」

 
 いつも必ずこの日には彼はココで休憩と取っていると知って
から銀時は彼に会う為ココに来る。そうして何時しか二人にと
って大切な時間になった。
 誰にも邪魔されない二人だけの優しい時間と夢を今日も共有
する。

END

付属でイラストも一緒に贈呈しました。
http://www.peps.jp/u/a_detail.php?id=ginntamaira&conse=1&seq_no=91710&rows=0

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