ハヤテのごとく?小説 《裏》
□●白い嘘と黒い真実
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今日は朝から曇り空だったせいか学校中が暗い雰囲気に包まれていた。
なぜか皆いたる所でヒソヒソ話をしててその会話の断片に「三千院家の…」とか「愛沢家は…」とか知り合いの名前がよく出ていたがその時の私はあまり気にせず自分の教室についた。
「おはよう泉、美希、理沙。」
「あ、ヒナお おはよう…」
返事(といってもひどくぎこちなかったけど)を返してくれたのは美希だけだった。
理沙は魂が抜けたようにただ一点を見つめているだけで泉にいたっては机に顔をつけたままだった。
「も、もお泉ったらまた昨日夜更かししたんでしょう?」
何だか嫌な空気が流れているのをどうにかしようと思って少し茶化すように言ってみた。
でも泉は顔をこっちに向けなかった。
「ハヤ太君とナギちゃん来てる?…」
「え?まだ来てないみたいだけど…」
「そっか…」
それっきり泉は私が何を言っても喋らなくなった。