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□うさぎざりゅうせいぐん
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おれたちのセカイがすくわれることは、おれのセカイがおわることだった。


      *


うさぎさんとおおかみさんが、「またね」といっていつもみたいにバイバイしたのは、セカイがすくわれる、そのほんのちょっとまえでした。

たたかいがどんどんはげしくなっていることはしっていたけど、でも、ゆめにもおもっていませんでした。

それが『サイゴ』になるなんて。

うさぎさんは、そんなときがいつかくることはしっていました。

ふたりともぶじに、しあわせに、いっしょにいきていくことは、とってもかなうかくりつのひくいゆめなんだって。


でも、いまはまだだいじょうぶ。
それはまだまださきのことだから、いまはしあわせだから、それでいいって。

まだいつもどおりだって、うさぎさんはおもっていました。

ああ、いったいなんのしょうこがあって、そんなことがいえたのでしょう?

「いつもどおり」なんてそんなもの、いつだってかんたんにきえてしまえる、ひどくあいまいなものなのに。



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