哀しみ笑顔

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ずっと部屋に閉じこもってたけど…


そんなことしてても何も変わらない…



ずっと携帯を握りしめてたけど…


もうザクロからのメールはこない…






気分転換に外に出てみた

歩いてはいるが目的地はない



ただ何も考えないように

だけど考えないようにしているだけで

ずっと考えてしまう…

想ってしまうザクロのことを振り払うように


ただ無心に歩いてるだけ








はっきり言って自分でも驚いてる


自分って人をこんなに好きになれるなんて



物心ついたときから

私は人を信用しなかった



今までそう生きてきた

そう生きていくしかなかった…






それは幼い頃に親に捨てられ

見知らぬ人にさらわれ

いいように使われ

人形のようになっても

死ぬのは怖くて…

汚い世界で生きていくしかなくて…




あぁ……

そういえばこの時か…


クモのみんなに会ったのは…



私を連れていった人のコレクションの中に

団長が気に入った物があって

その人を殺してた



その時私は近くに居たけど

マチが助けてくれた



この頃からか…

私の気持ちに変化が起きたのは





もちろん最初は皆に懐くはずもなかった


目の前で人を殺して平然としていて

その家の欲しいものをとっていった人達


別にその殺された人たちの事はどうでもいい

自分の心には関係のない人達




ただ私は人を信じるのが怖いだけ

信じて裏切られる

それだけが怖い




クモのアジトに行っても私は顔色一つ変えず

問われても口も開かず

ただ人形のようだった


人形と違うところは

目だけは反抗的だったところか



クロロに名前を聞かれても答えず

ただ睨んでいた


パクの能力で記憶を読もうとしたが

マチが今記憶を読むのは止めた方がいいと反対した


クロロもマチの勘を信じその時は止めた




…ちょっと羨ましかった……


ただの勘なのに、

クロロはマチを信じていた事が…

他の団員の人もそれに納得しているし…

ということは、

マチはそれだけ信用されていたのだ…



ただ私は


人を信じ

人に信じられたかっただけなのかもしれない…








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