Incarnated


□弐
1ページ/2ページ





ぽちゃん






          ぽちゃん





                     ぽちゃん




           ぽちゃん




   ぽちゃん







「っ……な、……あぁ、そっか」





水音が聞こえる。これはきっと、血の音??




あれ、でも確かあのオンボロパーライトが落っこちてきて、血が流れて、倒れて、それから。
それから、どうしたんだっけ。救急車に運ばれたんだっけ??
それともまだ意識が覚めないからこうやって水滴が落ちる音を聞いてる??
じゃあこれは点滴の落ちて響く音ってわけか。
成程納得。






……でもここ、なんだか暖かい。それでもって落ちつく。
あ。
“この音聞こえる?? これ、私の生きている証拠。心臓の鼓動の音”
おぉ。いい感じに仕上がっているではありませんか??
おっしゃぁ、なんか命系の感動もののプロット考えたんだけど。




「……って」



ん、って?? 何だろう。
って、ねぇ。なにを“って”なの??



「おーいって」



「うぇっっはい!? って……誰ですか?? 男の人」



何だろう。ちょびっとハスキーボイスの男の人の声が聞こえる……感じる??
感覚なのかな、これ。耳から聞こえている感じじゃない。
じんわり脳内?? から聞こえてくる。何なんだよ。





「脳内、であってるよ。小櫻優莉ちゃん」




「え、私の事知ってるんですか?? もしかしてあった事ありますか??
 声の限りあったとこは無いと思いますが」




一体なんだっていうんだよ。
もしかして今電脳世界を襲ってるサイバーテロ集団?!
……それは無いか。











次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ